アプリのトレンド「アート版シャザム」を美術館で使ってみた

2019/9/17

「この絵の作者は?」

先日、ニューヨークのロウアーイーストサイドにあるベティ・カニンガム・ギャラリーで、筆者はある印象的な絵画に目を留めた。
ヌードの女性が窓辺にもたれ掛かり、まどろんでいる絵だ。窓の外にはニューヨーカーホテルの旧館とエンパイア・ステート・ビルが見える。女性の頭上には、ぶら下がっているのか浮かんでいるのか、一匹の魚が描かれている。
筆者は「マグナス(Magnus)」というスマートフォンアプリを起動して、素早く絵画を写真に撮り、「調べる」をクリックした。数秒後、あのクセになるクリック音が響く。アプリが該当する作品を探し当てたのだ。
アプリによると、筆者の目を引いた絵画の作者はフィリップ・パールスタイン。伝統的な写実人物画を現代によみがえらせたことで知られる画家だ。
絵画のタイトルは「エンパイア・ステート・ビルとモデル」。1992年に描かれた72インチ×60インチの作品だ。30万ドルで売りに出され、2010年にニューヨークのサザビーズで17万500ドルで落札された。
これらの情報は、筆者が将来また見返せるように、「マイアート」と題されたフォルダに格納された。
(Vincent Tullo/The New York Times)

「シャザム化」する世界