【教養】生存バイアスから学ぶ。見えないものを見る「習慣」

2019/9/14
インターネットなどIT(情報技術)の発達に伴い、現代社会にはこれまでにないくらい、多くの情報であふれている。
ビジネスの世界でも、営業や新規事業を計画する際など、あらゆる場面で情報と向き合う機会は多い。
だが、あなたが普段触れている情報には「錯覚」や「裏」がある可能性がある。
それを知らずに生活していると、時に判断ミスを招くことになってしまうこともある。
(写真:Nomadsoul1/iStock)
しかし、ちょっとした知識と”コツ”を身に付ければ、誰でも「情報の裏側」を見ることができるようになる。
全3回にわたり、その秘策をお伝えしていこう。今回は「生存バイアス」について掘り下げる。

子どもを「お金持ち」にする選択

「生存バイアス」という言葉を聞いたことがあるだろうか。
英語で「Survivorship bias」と言うこの概念は、特定の事象について、失敗者や不利益を受けた人を考慮に入れず、成功者(生存者)だけを見て評価を下すことを指している。「生存者バイアス」と言われることもある。
これによって、データ分析から的確な判断を引き出せなくなってしまう。
日常生活において、この「生存バイアス」に惑わされる機会は、思いのほか多い。
イメージを体感していただくために、一つ問題を出したい。
将来、子どもが医者かプロ野球選手か、どちらかを目指すとしたら、どちらの職業が良いだろうか。
(写真:RichVintage/iStock)
親であれば、本人のやりがいを最優先にすべきだと思うかもしれない。だが、ここでは純粋に経済的メリット、つまりお金の損得として考えてみることにしよう。
この二つはどちらも年収が高いことで知られる職業である。年収の平均は①医者は2000万円、②プロ野球の1軍選手は1億円としてみよう。
果たしてどちらがお得と言えるだろうか。