[香港 4日 ロイター] - 香港政府トップの林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は4日、「逃亡犯条例」改正案の正式撤回を表明した。香港を「極めて脆弱で危険」な状態から脱却させ、解決を模索するとした。

林鄭行政長官はテレビ中継で「暴力が続いていることで、特に法の統治を含む香港社会の根幹が揺らいでいる」とし、「市民の懸念を完全に解消させるため、逃亡犯条例改正案を正式に撤回する」と述べた。その上で、社会の分断に対応し、解決策を見出すために、今月から市民と直接対話を開始することを明らかにした。

香港では、中国本土への容疑者の引き渡しを可能とする同改正案をきっかけに抗議デモが激化。3月に始まった抗議デモは6月に激化し、これまでに合計で1183人が逮捕されている。

逃亡犯条例改正案の撤回で抗議デモが収束するかは現時点では不明。ただ撤回を巡る報道で、香港株式市場のハンセン指数<.HSI>は一時約4%上昇した。

*内容を追加しました。