【新】マレーシアに移住して見えた「生きやすさ」の核心

2019/8/30
まるで預言者のように、新しい時代のムーブメントをいち早く紹介する連載「The Prophet」。今回登場するのは、マレーシア在住の編集者・作家で、著書『日本人は「やめる練習」がたりてない』(集英社新書)が話題の野本響子氏だ。
子どもがハッピーじゃなければ転校してもいい。子どもの可能性を探り、新たな挑戦を促すため、クラブ活動は「同じものを続けないこと」を推奨。学校行事も「参加しない」という選択が可能……。野本氏がつづるマレーシアの教育事情や寛容な国民性は、日本とは真逆で驚くことばかりだ。
マレーシアの首都クアラルンプール
一方の日本では、部活でも仕事でも「一つのことを続けること」「つらくても我慢し、途中でやめないこと」が重視される。そのため自分の可能性や好きなものも探りきれず、途中でやめる方法もわからず、途中でやめた人(学校中退者や社会人の転職者)の受け皿もわずか。この実情は、いじめ、自殺、ハラスメントなどの社会問題ともつながってくる。
いまや、日本から移住・留学する人も増加中のマレーシア。『日本人は「やめる練習」がたりてない』には、殺伐として行き詰まり感が漂う日本とはまったく違う考え方で成り立つ社会が描かれている。そこから日本人が学び取れるヒントとは……?
野本響子(のもと・きょうこ)/埼玉県生まれ。早稲田大学卒業後、安田火災海上保険(現・損保ジャパン)に入社し、アスキーへ転職。その後、フリーとなり「ASAhIパソコン」「アサヒカメラ」編集部を経てマレーシアへ。著書に『いいね!フェイスブック』(朝日新書)、『マレーシアの学校の○と× アジア子連れ教育移住の第一歩』(kindle版)など。現在、現地のオンライン「マレーシアマガジン」編集長の他、PRや教育事業、旅行事業などに従事。

子どもが気軽に転校できる国