【拝啓】テクノロジーが分からない全ての皆さんへ

2019/9/2
テクノロジーがすべての産業を飲み込むーー。
"Software is eating the world"といえば、著名な投資家マーク・アンドリーセンが2011年に公表した論考だが、現在、確かにあらゆる産業にITが侵食している。
その進化は早く、誰しもがキャッチアップするのに四苦八苦しているだろう。
2010年に創業したCB Insightsは、そうした人々に、テクノロジーの最先端情報を提供することで急成長を遂げてきた。起業だけでなく、新規事業立ち上げや戦略策定に必要な、テクノロジーの動向、競合の動き、世界の買収動向などを、整理された情報として企業に提供してきたのだ。
そこには旧来の市場リサーチ会社ができなかった「秘密」のアプローチがある。
NewsPicksは、米ニューヨークに本社を置くCB Insightsの創業者、アナンド・サンワル氏にインタビューを敢行。テクノロジーの動向を調べ尽くす秘訣と、それを伝えていく独自のアプローチについて聞いた。

大企業にいると心地よくなる

──あなたはアメリカン・エキスプレスで着実にキャリアを積んでいましたが、なぜCB Insightsを創業したのですか。
実はアメックスの前には、小さな企業で勤めていました。ですが、そのスタートアップは失敗したのです。
アメックスには在籍した7年は、素晴らしい経験でした。かなり出世もしましたが、大企業で働いていると、どこかで「心地よい」気分になってしまうのです。私自身も例外ではありませんでした。
そして、次に昇進のチャンスが来たときに、こう考えたのです。