【実録】「レストランはつまらない」。25歳、天才料理人の奇跡

2019/8/12
友人に料理を振る舞うのが、好きな人は少なくないだろう。
だが、そんな趣味が数千人の予約を集める人気となり、メディアをにぎわせるほどになるのは、もはや夢物語としかいえないだろう。だが、米ニューヨークには、そんな奇跡を実現してしまった男がいる。しかも確信的に。
ジョナ・レイダー。米ニューヨーク出身、弱冠25歳の料理人だ。
レイダーは、米コロンビア大学で、ノーベル経済学賞のジョセフ・スティグリッツ教授に師事していた学生時代に、米メディアを騒がせた。同じ寮の友人に振る舞っていたディナーの「夕食会」が、料理のおいしさや、ビジネスの仕組みが評判で、予約待ちの列には4000人が並ぶほどの人気になったのだ。
その夕食会Pithのコアは、高級レストランにはできない「おもてなし」だ。
「レストランはつまらない」「自分はシェフではない」と公言するレイダーは、学生寮の夕食会で培った新たな感覚で、新たな料理、もてなしを開拓し、今やニューヨークを拠点にしながらも、世界を旅して、Pithの裾野を広げている。
NewsPicks編集部は7月末、日本で密かに夕食会を開催していたレイダーを直撃し、その見据える未来について聞いた。
現在日本語も学んでいるというジョナ・レイダー氏

人生を捧げるものに出合う瞬間

──そもそも、なぜ経済学専攻の学生だったのが、料理で世界を旅しているのですか。