【迫真】「消えたアイドル」の、セカンドキャリアを追う

2019/7/30
「推しメン」は卒業後、どんな人生を歩んでいるのだろうか──
国民的アイドルグループ「AKB48」の登場をきっかけに、全国各地でさまざまなグループアイドルが活動するようになり、アイドル人口は近年膨張を続けてきた。
だが、当然ながら、すべてのアイドルが芸能界で成功するわけではない。多くのアイドルは、何らかのタイミングで「卒業」していくことになる。
卒業後の進路は、女優、バラエティ、キャスターなど華々しいキャリアを歩む人もいれば、人知れず表舞台から去り、第二の人生を歩む人も山ほどいる。
そんなアイドルの卒業後の人生を「セカンドキャリア」と捉え、その実像を追ったノンフィクション作品が『アイドル、やめました。AKB48のセカンドキャリア』だ。
執筆したのは、自身もアイドルグループ「SDN48」のメンバーとして活躍した大木亜希子氏。彼女もアイドルを卒業して、ノンフィクションライターとしてセカンドキャリアを歩み始めた一人だ。
そんな大木氏しか書くことのできない当事者目線のリアルな描写が反響を呼び、すでに重版がかかるほどの人気となっている。
なぜ大木氏は、この本を執筆しようと決意したのか。アイドルたちが悩み尽くした上で結論を出すその過程は、終身雇用時代が終わりを迎えようとしているビジネスパーソンにも気づきを与えてくれるに違いない。
知られざるアイドルのその後に迫った裏話を、3日間にわたって語り尽くしてもらう。
大木亜希子(おおき・あきこ)
フリーライター。日本テレビ系ドラマ『野ブタ。をプロデュース』で女優デビュー。数々のドラマ・映画に出演後、2010年、秋元康氏プロデュース「SDN48」として活動。2012年に同グループを卒業後、ニュースサイトにて営業、ライターを経験後、2018年にフリーランスライターとして独立

アイドル卒業後、一般企業へ

──大木さんご自身がアイドルからライターに転身したセカンドキャリアの持ち主です。なぜ、この本を執筆しようと思ったのですか?
大木 私自身が2年半アイドル活動を経て会社員になった時、一般社会で勤めるようになってからの体験とアイドル時代の体験がリンクする部分があったんです。