[イスタンブール 25日 ロイター] - トルコ中央銀行は25日、政策金利の1週間物レポレート<TRINT=ECI>を4.25%ポイント引き下げ、19.75%とすることを決定した。利下げは約4年半ぶりで、利下げ幅は2003年以降で最大となる。市場では2.5%程度の利下げが見込まれていた。

ウイサル新中銀総裁としては、就任後初となる今回の政策決定会合でエルドアン大統領への「忖度」を示した格好だ。前任のチェティンカヤ総裁は大統領による利下げ要求をかたくなに拒み続け、今月上旬に突如解任されたばかり。

中銀は声明で政策スタンスは依然慎重と表明。「ディスインフレの流れを維持することがソブリンリスクの低減や長期金利の低下、力強い景気回復の鍵となる。そのためには慎重な金融スタンスの継続が必要になる」という認識を示した。

決定を受けトルコリラは対ドル<TRYTOM=D3> <TRY=>で一時的に値下がりしたものの、その後は値を戻し、足元0.5%高。今年に入ってからは振れの大きい展開が続いている。昨年は約3割下落した。

トルコ財務省の元幹部で国際金融協会(IIF)の欧州新興調査部長、Ugras Ulku氏は、中銀への信認に対する不安が広がる中、今後さらに利下げが続いた場合、リラは大幅な下落圧力にさらされる恐れがあると指摘した。

トルコの6月消費者物価指数(CPI)は、前年比の伸びが15.72%と、前月の18.71%から鈍化し、1年ぶりの低水準となった。中銀はインフレが第2・四半期に大幅に鈍化したことを認めた。

ソシエテ・ジェネラルのストラテジストは「今回の利下げ幅には驚かされたが、現在の世界的な市場環境を踏まえれば妥当と言える。今後も利下げが続くだろう」と述べた。