グーグルが計画中の未来都市「IDEA」は、徹底したデータ収集に基づいてつくられる
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本格的に稼働し始めたアルファベット傘下のサイドウォークラボのスマートシティプロジェクト。「世界中の情報を集めてアクセサブルにする」ことがミッションの企業ならではの構想だが、この規模だからこそやれることは多い。
一方であらゆるセンシング技術と解析技術を駆使しても、それで提供されるソリューションの価値が、個々人が提供する情報(データ)と引き換えに得られる価値として低ければ、この構想は画餅に過ぎないものとなる。
防犯などセキュリティを目的としたカメラによるデータ収集と解析が飛躍的に進んで来ているのは、それと引き換えに得られるベネフィットが高いという共通認識が得られているからであるが、実際にはリアル空間における行動データに関してのプライバシーについて具体的な取り決めは存在しない。
一方で世の中では既にリアル空間で数多くのプライバシーに抵触する可能性のあるデータは人力でもデジタル技術でも、マーケティング目的で既に取得されている。コンビニのレジでの店員任せの性年齢データの入力に始まり、都内のタクシーに増えてきた広告表示モニターに備えられたカメラの顔認識カメラなどだ(店舗でも既にカメラの顔認識でも実施してる店舗もある)。
あくまでこれらは現状ではIDとは切り離されたデータなので、厳密には特定個人のプライバシーを暴くものではないが、既にモバイル端末で個人レベルでの行動追跡が可能なように、全ては既に起こりつつ未来が、都市空間という中で可視化され、情報がより詳細化されるということに過ぎない。
都市を人間拡張の最大形態だと考えると、センシング技術で情報を入手し、AIで解析した上で何かしらのアクチュエートでソリューションやサービスを提供するというのは、私もそれに関わる者として当然のあるべきイノベーションの姿だと考えるが、あくまでそれは「人間中心」でデザインされるべきで、この辺が決して得意とは言えないアルファベット(Google)がより具体的にその都市の姿を描いているのか、興味深い(彼らのマスタープランは未見です💦)
私の専門も現職もこの領域なので、プレイヤーの一人としても注目して行きたいと思います。GoogleのSidewalk Labには以前から注目していましたが、今回のIDEAの基本哲学に挙げられている「すべてのデータを収集する」という点は、簡単に言えば街にGoogle Analyticsを仕掛けるようなイメージです。
すでに、米国では、都市まで大きな面ではありませんが、人の動きを解析してビジネスにつなげているところがいくつかあります。
たとえば、企業の新製品にたいする店頭でのリアクションを解析して販売しながらプロトタイピングを行うすごい小売店を展開するb8ta(https://toyokeizai.net/articles/-/207826)や、建物内にセンサーを配置して、不動産活用のデータを取りながら、照明や空調の最適化、あるいは設計の最適化を行なっているWeWork(https://www.bloomberg.com/news/articles/2019-03-15/every-move-you-make-wework-will-be-watching-you)などは、面白い事例です。IDEAはこれを、街でやろう、というイメージで受け取りました。
人がどこから、何のためにそこにきて、どこへ離脱していくのか。すでにGoogle Mapsで提供されていますが、最適な移動ルートや、店舗などの施設のどの時間帯が混んでいるのか、などが、より高い精度と密度で計測され、街の最適化に活用されていくということになります。
別にデータ収集なので、その段階で良い・悪いの判断が下されるわけではありませんが、各家のゴミや下水の量なども計測され、インフラや都市生活の提供に活用されるわけで、住民としてどこまで許容できるのか、という問題がつきまといます。そういう軋轢も含めて実験、ということなのかもしれませんが。何気なくPickした前回から、Webページのデザイン・3Dパースが格段に進んでる!※
ワークショップやsnsも力入ってるし、まるでお店やブランドのように都市がファンを集めてる印象。
トロントはカナダ最大の都市にして、北米ではニューヨーク・ロス・シカゴに次ぐ260万人が暮らす都市。人口密度は約4000人なので名古屋(約7000人)よりもグッと少ないけど、名建築が多く鉄道網もしっかり張られているイメージです。行ったことないけど。
アメリカ大陸横断鉄道も伸びているので、これは近々計画を練らねば。
※参考
https://newspicks.com/news/3357029