がん新薬の臨床試験 全国の情報集めたHP作成
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臨床試験と、新薬での治療を希望する患者さんのマッチングをHPで行うという内容ですね。
https://ct.ganjoho.jp/category/input
臨床試験は実用化の手前であり、ある程度の根拠を持たなければ行えません。現在の医学で立ち向かえない癌は未だ多くある一方、癌に効果的な新薬がどんどんでるこの時代ですから興味を持つ方は少なからずいらっしゃるでしょう。
しかし、臨床試験は安全性、有効性、従来の治療との比較を行う場ですから、実験段階にあることを忘れてはいけません。
医学の進歩と、病気に苦しむ患者さんをつなぐ非常に良い取り組みだと思います。がんセンターの取り組みなので残念ながらがんに限定されていますが、臨床試験の情報が集約されて公開されるようです。
ただ、公開されている試験の数が31と非常に少なく、多くの方はウェブサイトを訪れても、該当する試験は見つからないという結果に終わってしまうでしょう。
ご参考までに米国の状況をお伝えすると、がんに限らずあらゆる臨床試験の情報が国立医学図書館によって集約されており、現在進行形の臨床試験として31万もの試験情報が掲載されています。うち、がんの臨床試験は6万ほどあります。
https://www.clinicaltrials.gov/ct2/home
日本では古くから、患者さんに薬を投与するような臨床試験よりも試験管をふるような基礎実験が重んじられる傾向があり、臨床試験を行う文化も、それを行う能力を持った医師も、サポートするスタッフも、資金も不足しており、そもそも臨床試験が少ないという背景があります。
それでも現在は(少し情けないことですが)米国や中国、欧州、韓国などが主導する国際共同試験に参加するという形もありますから、そのような背景を加味しても31という数は少ないように思います。まずは少なくとも国内の試験情報が全て集約され、患者さんにとって風通しの良いものになれば、と思います。