いま“大人の自己分析”が求められている理由

2019/6/29
企業を取り巻く経済や経営、個人のキャリア形成を取り巻く環境が予測出来ない時代に突入し「これまでの経験に頼るだけではサバイブするのが難しくなった」と言われるようになって久しい。
では、先が見えない時代にどんな人材が求められるのかー
「それこそが自律型人材であり、自律するための大切な力が“リフレクション”です」と語るのは21世紀学び研究所所長の熊平美香氏だ。
熊平氏より、“大人の自己分析”とも言える「リフレクション」の詳細について寄稿してもらった。
NewsPicksアカデミアでは7月より、熊平美香氏が担当するゼミ「自走するチームの作り方」を開講いたします。

なぜ「リフレクション」が必要か

皆さんは「リフレクション」という言葉をご存じでしょうか。
リフレクションは今、人材育成の現場や教育の現場で最も注目されている概念の一つで、現在の自分を「振り返る」という意味です。
ではなぜ、リフレクション、いわば“大人の自己分析”が注目されているのでしょうか?
それは、企業を取り巻く経済や経営の環境や、個人のキャリア形成を取り巻く環境が、予測できない時代に突入したからだと思います。
例えば、企業経営においてこれまでは「競合に勝つ」といった特定の課題に対し、特定のアプローチで挑めば、ある程度の成果が出ました。
ところが現在は、自動車会社の敵がIT会社になるなど、業種をまたいだ競合の登場が当たり前になり、これまでのアプローチでは太刀打ちできなくなりました。
熊平美香/21世紀学び研究所所長
青山学院大学法学部卒業。ハーバードビジネススクールMBA修了。熊平製作所の取締役経営企画室長を経て、シリコンバレーにてThe Bear Groupを設立。その後、藤田田・元マクドナルド社長に弟子入りし、新規事業の立ち上げに携わる。カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社の取締役、GEリーダーシップ開発を日本に紹介する等を経て、現職。
個人のキャリア戦略についてもそうです。
これまでは、1つの会社に勤め上げ、その中で順当に出世していく―というキャリアプランが描けましたが、終身雇用がアテにできなくなった今、その戦略1つで勝負するのは、心もとなくなっています。