[パリ 10日 ロイター] - 欧米自動車大手フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)<FCHA.MI>と仏ルノー<RENA.PA>は、破綻した経営統合計画を復活させ、ルノーの提携相手日産自動車<7201.T>の承認を確保するための方法を模索している。複数の関係筋がロイターに明らかにした。

関係筋によると、日産はFCAとルノーの経営統合を支持する見返りとして、ルノーに対し日産への出資比率を現在の43.4%から大幅に引き下げることを求める構え。

経営統合計画は複雑で政治的な問題も絡むため、計画の復活が実現可能かどうかは非常に不透明という。

関係筋によると、FCAのジョン・エルカン会長とルノーのジャンドミニク・スナール会長は、統合交渉の決裂後、計画を復活させることについて協議。協議を受け、ルノーのスナール会長とティエリー・ボロレ最高経営責任者(CEO)は今後の見通しを楽観しているという。

ルノーとFCAはコメントを控えている。

関係筋によると、統合交渉を巡ってFCAのエルカン会長のシニアアドバイザーを務めているトビー・マイヤーソン氏は、日産幹部との予備協議のため、10日に横浜の日産本社を訪れる予定。日産の西川広人社長も協議に参加する可能性が高いという。

マイヤーソン氏のコメントはとれていない。

ルノーは日産のガバナンス改革を阻止する意向を示唆するなど、ルノーと日産の関係は緊張が高まっており、妥協が成立しない可能性もあるが、FCAとルノーの経営統合の合理性や相乗効果も無視できないため、こう着状態が打破される可能性も残されている。

*内容を追加しました。