トランプ米大統領、対中関税巡る決定は「G20直後」
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トランプ大統領は、結局、対中関税を3000億ドル分上乗せすると言わざるを得なくなるでしょう。
G20後に決定するというのは、トランプ大統領お得意の、習近平主席に対するけん制であると考えられますが、習近平主席も今回は、はいそうですか、と譲歩する訳にはいかないでしょう。
トランプ大統領個人の考えはともかく、米国が中国に要求している中身には、中国の政治体制さえ脅かしかねない内容が含まれると、中国が認識したのです。
中国政府は、米中貿易交渉の合意文書案の全ての章に修正を加えて、米国に提示しました。米国は、これらの修正が、これまでの米中交渉を白紙に戻すような内容だったとしています。中国政府は、知的財産・企業秘密の保護、技術の強制移転、競争政策、金融サービス市場へのアクセス、為替操作の分野で、問題解決のために法律を改正するとの約束を反故にしたのです。
権威主義国家では、統治者が恣意的に政策を決定できることが権力や権威につながります。法律を定めてしまっては、中国共産党の権威を損ねる可能性もあるのです。
また、米国に譲歩しても米国の圧力は弱まるどころかより強くなり、そのことによって対米譲歩路線が再度抑え込まれ、対米強硬路線をとっていた習近平主席と劉鶴副首相を始めとする側近たちが権威を回復しつつあるのだとすれば、なおのこと、現段階で米国に譲歩することは難しいと考えられます。
いずれにしても、米中貿易戦争は当面の間、エスカレーションが続くと予想されます。少なくとも中国は、その覚悟を決めたようです。さらに、貿易戦争が政治体制間の競争という意味合いを色濃く持ち始めたら、衝撃はより大きくなりかねません。
現在参加しているヨーロッパの安全保障の会議で、ヨーロッパ各国の多くの政府関係者や研究者が「米中は冷戦状態にある」と認識していると報告されました。日本政府も企業も、衝撃に備える姿勢をとる必要があるでしょう。「権威主義国家では、統治者が恣意的に政策を決定できることが権力や権威につながります」というコメントがありました。
トランプさんほど恣意的に政策を決定する国の指導者は世界にはもうないのではありませんか。
今度のトランプの常套手段にはもうだまされないと思われます。