【農産物】ECサイト化で日本の農業はまだ伸びる
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寄稿させていただきました。
地方でよく目にする直売所ですが、その市場規模は1兆円を超えています。この数字を皆さんはどのように見るでしょうか。私は3年前、初めてその数字を見たとき「そんなに多いのか!」と驚きました。
他にも、
・表参道で毎週末に開催されている青山ファーマーズマーケットには、1日に1.5万人も来場(イベント時はさらに多い)。→https://magazine.hitosara.com/article/1245/
・フリマアプリでも農作物の取り扱いが増加。→https://boxil.jp/beyond/a5446/
など、様々な形で直売の需要が高まっています。
そこで立ち上げたのが『食べチョク(https://www.tabechoku.com/)』。
こだわり生産者に特化したマーケットプレイスです。一言で言うと「WEB版のファーマーズマーケット」。全国から350軒以上の生産者が登録しています。
・生産者とのコミュニケーション機能
・コンシェルジュが生産者を選ぶおまかせ定期便
・友人同士で分け合う設定ができる共同購入機能
などが既存サービスとの違いで、よりスムーズに生産者と消費者が繋がれる仕組みを提供しています。
地方の直売所の体験を、もっと身近に、もっとエモく届けます!
生産者と消費者、両者に価値あるサービスにしていきますので、ぜひ応援をよろしくお願いいたします。直売所は数が多いため売上は大きく見えますが、面積辺りの売上ではスーパーなどに比べると数字が遥かに落ちます。そのため実際農家個別での売上は市場やスーパー、大手加工会社などのBtoBから比べるとかなり低く、かつ、手間と言うコストが高いものなのが実情です。
資料は流通経済研究所のものよりこちらが参考になります。
客側が直売に求める要素は上から
・鮮度が良い 75.2%
・価格が安い 65.2%
・地元産の食材が豊富 45.1%
となります。
このためECサイトにしてしまうとこれらの要素で強味がなくなりますが、この辺は農家の方とのコミュニケーションがとれることで解決していくのかなと思います。
ただ、現実農家とコミュニケーションがとりたい、とれれば高くても買いたいという購買層が市場規模としてどれほどいるのかと言うと…。
先ほどの統計では
・地元の人とコミュニケーションがとれる 3.6%
なのでスケールできる数としては難しいのが現状じゃないかと思います。物流拠点を自前で作るのであれば安く、大量にまさしく流通できるので農家としても、消費者ニーズとしても良いですが個別につなぐ方式はスケールの面でかなり課題があるんじゃないかなとは思います。
そんなことは先刻承知なので有機に限定し顧客を絞り混んでいるのだと思いますが、より先鋭化し過ぎると既に顧客をがっちりつかんでいる有機販売の小売りもたくさんありますから、新規開拓は大変だろうなと思います。
コミュニケーションが本当にマーケットになり得るのか?
農産品は単価が安いのでコミュニケーションコストを生産者がかけられるのか?
結果は気になります。中央卸売市場、地方卸売市場の青果流通は金額ベースで全体の80%ほどを占めていますが、このシェアは下降傾向であるのは明らかで
市場法もさらなる改正と規制緩和で 生産者→JA系列→市場→仲卸、量販店、小売 という屋台骨が転換点を迎えています。
多様な流通が生まれることで生産者も消費者も選択肢が広がり、食に関心が高くコストをかけてでも豊かさを享受したい層は部分的に活気付くと思います。
しかしながら、根本的に農業においては需要と供給をコントロールしきれずすれ違うのが常。
ゆえに価格も乱高下するわけですが、そこをある程度公的な力でコントロールしてきたのが公設市場です。
流通が戦国時代のようになっていったらおそらく野菜は叩き売られるようになる、あるいは過剰高騰も時々起きるかもしれません。
部分的には伸びる(他のシェアを奪う)でしょうが、日本では口の数も胃袋のサイズも全体的に縮小していき、野菜の輸出はほぼ成果を出していないので
全体として伸びるということはあり得ないと思います。
それを悲観することなく、日本は世界一の高齢国としてどういう撤退戦をしていくのか?
というところが各地域においても重要課題ですので、日々試行錯誤するのみです。