何が起きても満ち足りた心を保つ

誰だって幸せになりたい気持ちに変わりはないはず。なのに、幸せな心理状態になかなかなれないのはなぜだろう。
少しの時間でいいから、自分の思考と感情にじっくり向き合ってみよう。不安や恐れ、憤り、罪悪感や妬みの感情を抱えてはいないだろうか。こうした感情があると間違いなく、幸福感にはマイナスに作用する。
では、人生で何が起ころうとも満ち足りて安らかな気持ちでいられるように、思考をコントロールする簡単な方法をご紹介しよう。

1. 失敗しても心穏やかに

自分自身を許すことができない限り、真のそして持続可能な幸福を感じることは不可能だ。
「与えられた状況の下、限られた支援とその時点でのあなた自身の理解力と洞察力の範囲内で、あなたは最善を尽くしたのだ」と、コンサルタントのダニー・ディノーボは著書『Get in a Good Mood and Stay There(いい気分になってそのままで)』の中で述べている。
「もしその過程で何かを学んだなら、それだけであなたは自分からの許しに値する。たとえ、他の誰もあなたに許しを与えなかったとしてもだ」

2. 前向きなストーリーを選ぶ

健康的な心理状態でいられるかどうかは、生活の中で他者から受けた嫌な扱いに対して、いかに反応するかにかかっている。
『シリコンバレー式 自分を変える最強の食事』(邦訳:ダイヤモンド社)で知られる起業家のデイブ・アスプリーは『Game Changers: What Leaders, Innovators, and Mavericks do to Win at Life(ゲームチェンジャー リーダーや革新者、独立独歩の人々が人生で勝利するためにやっていること)』の中で、いらだつ状況に対する見方を変えるためのツールとして、よかったと思う気持ちを利用することを提案している。
たとえば、誰かの車があなたの前方に割り込んできたしよう。あなたは腹を立て、「あいつは自分のほうが偉いとでも思っているのか」と思うだろう。
だが、別の可能性はないだろうか。相手のドライバーは死の床にいる母に最後にひと目、会うために病院へ急いでいたのだとしたら……。これが架空のストーリーだったとしても、道を譲ってやってよかったと思えるのではないだろうか。
「たとえ侮辱されたと感じた場合でも、よかったという気持ちがあれば、それは許しへの扉を開いてくれる」とアスプリーは書いている。「許しがあれば、他の人々への恨みを心に抱きつづけなくて済む。心に抱くべきもっと大事なものがあるはずだ」

3. 当たり前のことに感謝する

ナポレオン・ヒルとW・クレメント・ストーンの共著『心構えが奇跡を生む』(邦訳:きこ書房)には、14歳の一人娘を亡くした女性の話が出てくる。女性と夫は当初、「どうしてこんなことに」という思いにさいなまれ、自宅を売り払い、心の痛みから逃げるために長旅に出た。彼女はこう語る。
「子どもがいることの喜びや健康や安心は、神様が私たち一人ひとりに貸し出して下さるお恵みなのだということを、私の心が受け入れ始めるまでに何カ月もかかった。

こうした無限の慈悲を、神ならぬ身の私たち人間は当たり前のように思っているが、その真の意味と偉大でかけがえのない価値を思えば、本当に大切にしなければならないものばかりだ。

それ以外のお恵みを今後も手にできる権利は、どうしたら得られるのだろう。夫からの愛情やこのすばらしい国で生活していること、友だちがいること、五感が問題なく使えること、私を取り巻くすべてのいいことに対する感謝の念をどうすれば表すことができるのだろう」
何かを失ったり不満に思うことがあってもなお、感謝の気持ちを持てるとしたらそれは何に対してだろうか。それは健康かもしれないし、この地球上に自分のことを愛してくれる人がいることかもしれないし、衣食に困っていないことかもしれない。
ありがたいという心をもっと持つことができれば、あなたの幸福度も上がっていくはずだ。
原文はこちら(英語)。
(執筆:Christina DesMarais/Contributor, Inc.com、翻訳:村井裕美、写真:kirstypargeter/iStock)
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This article was translated and edited by NewsPicks in conjunction with Jeep.