(ブルームバーグ): 米配車サービスのウーバー・テクノロジーズは9日、新規株式公開(IPO)価格を1株45ドルと仮条件レンジの下限に近い水準に設定したと発表した。1億8000万株を発行し、IPOの規模は81億ドル(約8900億円)となった。

仮条件レンジは44-50ドルだった。IPO後の発行済み株式数に基づく時価総額は755億ドルとなり、株式公開前の評価額760億ドルを下回る。制限付き株式などを含めた時価総額は約820億ドルに上る可能性がある。

事情に詳しい関係者1人によれば、ウーバーは株主の購入先として、機関投資家など長期保有が期待できる一部株主を優先した。同業のリフトは上場後数営業日で株価がIPO価格の72ドルを割り込み、9日終値時点で同価格を23%下回る水準で低迷しており、ウーバーはこのような株価の動揺は避けたいと考えたようだ。

ウェドブッシュ・セキュリティーズのアナリスト、ダン・アイブス氏は「ウーバーは『弟分』であるリフトの状況、過去1カ月の経験から明らかに教訓を得ており、われわれはウーバーの控えめな価格設定を賢明で用心深い戦略と捉えている」と述べた。

ウーバーのIPOは仮条件レンジの下限に近い価格設定になったとはいえ、ブルームバーグが集計したデータによると、過去の米国のIPOでトップ10に入り、米取引所での上場としては2014年のアリババ・グループ・ホールディング(250億ドル規模)以来の大きさとなる。

ウーバーの株式は「UBER」の銘柄コードで、ニューヨーク証券取引所(NYSE)に10日上場される。

原題:Uber Raises $8.1 Billion in IPO Priced Near Bottom of Range (1)Uber Raises $8.1 Billion After IPO Prices at $45 Per Share(抜粋)

(市場関係者のコメントなどを追加して更新します.)

記事に関する記者への問い合わせ先:サンフランシスコ Eric Newcomer enewcomer@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先:Mark Milian mmilian@bloomberg.net, Elizabeth Fournier

©2019 Bloomberg L.P.