【近未来】30年後「駅近物件=最強」は崩れる

2019/5/19
2040年代以降、令和世代が大人になって、住まいを考えるようになる時、人々の価値観は大きく変わるだろう。そして、不動産に求めるものも──。

今の日本の不動産市場は、「駅近物件」の全盛期だ。それは、共働き世代が増え、“クルマ離れ”が進んだことが背景にある。

30年前は「郊外に一軒家を持って自家用車を持つ」ことが当たり前だった。しかし、30年後も、人々が不動産に求める条件は、今と同じだろうか。

そんな「不動産の未来」について、不動産AI自動査定サービスを提供するコラビットでCEO(最高経営責任者)、不動産テック協会で理事を務める浅海剛氏に解説してもらった。

30年後の価値観はどうなっているか?

30年後、令和時代に生まれた子どもたちが、家について考える大人になった時、彼らの価値観やライフスタイルが、住まい選びの基準に大きく影響するでしょう。
すでに、オフィスで働かない「リモートワーク」という働き方や、「MaaS(モビリティー・アズ・ア・サービス)」という移動手段の高度化に注目が集まっていますが、30年後はそうした世界観が当たり前になるでしょう。
人工知能(AI)、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)、ロボティクスなども発展し、過去のデータを元に地価や資産価値を予想しても、将来は今の延長ではないのは明らかです。
まず、過去30年を振り返っても、今の価値観とは大きく異なっています。
(iStock/kohei_hara)