巨人・ノキアに学ぶ「大企業復活の5カ条」
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ノキア=端末の時代を知っている者としては、そういえば端末は見かけなくなったけれども、今でも「巨人」と言われるスゴい会社がノキアです。
今回取材させて頂き、改めてその底力を実感。復活の秘密には、企業としてはもちろんのこと、個人としてこれからの時代を生き残っていくためのヒントが満載でした。
「ノキア携帯」の全盛期、私はちょうどイギリスにいて、黒くてゴツゴツしていて可愛くないし、液晶も電卓みたいで「日本は進んでいて海外は遅れているんだなあ」と思っていました。
それなのに自分も含めてみんなが使っているから、ノキアってすごいなと。それは実際マーケティング・セールスの力も強かったのでしょう。
一方で、小松さんは謙遜も含めて「技術力ではない」と仰っていましたが、メイン事業をサッと切り替えられたのは、やはり技術力の高さがベースにあるのだと思います。
小松さんに出会えたことで、日本との違いも明確になりました。
反面、小松さんの「日本流」が、ノキアに大きな影響を与えたというのが面白い。
意外に?親和性が高いノキアと日本。そちらは明日の記事にて、お楽しみに!ノキアは、
>わずか人口550万人の小国から、世界のイノベーションを担い続ける北欧の巨人。
ということですが、
わずか人口550万人だからこそ、以下の強みが出てくるのだと思います。
・スケールの強み
・真のダイバーシティ
・超効率主義
スケールの強みに関しては、まず人口550万の自国マーケットのみにフォーカスする発想がそもそも出てこないので、グローバルスケーラビリティを誰もが考える。人口550万だと東京都の人口(1385万人)の半分にも満たないので。日本でスタートアップが起業する時に、「ターゲットは世田谷区のみです」と言わないのと同様です。
「小国の危機感」が最初からグローバルにスケールできる事業を生み出すのです。
真のダイバーシティも同様。人口550万だと大企業が自国民だけで優秀な労働力を確保するのは不可能に近いです。すると男女はもちろん国籍すら関係なく優秀でカルチャーフィットする意欲的な人材をどんどん巻き込むという流れになる。
超効率主義も同様。同じ人口550万の国にシンガポールで「どうしてこんなに冷房が寒いくらいに効いているの」と私が質問したら「リー・クワンユー(シンガポールの初代首相)の指示だよ。暑いと頭が回らなくって生産性が落ちるから、冷房の温度も政策で決定されているんだ。」という回答をもらいました。それほど「生産性・効率」にこだわっている。
日本は人口1億2000万人、世界第3位の経済大国という「ハンパに大きい巨人(しかし、その上のアメリカ・中国には到底かなわない」であることが、この小国の危機感が産むグローバリズム、スケーラビリティ、ダイバーシティ、生産性に対して、「ぬるく」なる真因である気がしています。
ハンパな大きい巨人なので国内市場でそこそこ食えてしまうし、明日、危機が訪れるわけではないが、確実に小さくなっていく未来もわかっている。(人口減少による縮小)
つまり、「ゆでがえる(※)」状態なわけです。
※2匹のカエルを用意し、一方は熱湯に入れ、もう一方は緩やかに昇温する冷水に入れる。すると、前者は直ちに飛び跳ね脱出・生存するのに対し、後者は水温の上昇を知覚できずに死亡する、という例え1. パートナーシップ (連携しやすさ)
2. グローバルでのスケーラビリティ (広げやすさ)
3. ダイバーシティ&インクルージョン (交わりやすさ)
4. 合理的な産学分担 (集中しやすさ)
5. フィンランドの雇用流動性 (辞めやすさ)
島国の日本企業には苦手な領域が多いですが、4&5は既に整って来たはず。1-3は意識してリスク取らないと変わらない。