【落合陽一×箕輪厚介×井上慎平】本をアップデートせよ
2019/4/12
毎週水曜夜10時からの『WEEKLY OCHIAI』。4/10のテーマは「本のアップデート」。NewsPicks Book編集長の幻冬舎、箕輪厚介さんと、NewsPicks 新レーベル編集長の井上慎平さんをゲストにお迎えし、これからの本について議論しました。
マーケティングに回収されない出版を
NewsPicks Book編集長の箕輪厚介さんと、NewsPicks新レーベル編集長の井上慎平さん。
【箕輪×井上】読書の熱狂はファッションを超え、システムを変えるか
この日のWEEKLY OCHIAIは、書籍出版の未来を担う、お二人をゲストにお迎えし、これからの本のあり方について議論した。
「ビジネス」書はオワコン
箕輪 次のNewsPicks Bookで打ち出したいコンセプトは、かっこ付きのビジネスがオワコン。いわゆる「ビジネス」書がオワコンと言いたい。
「意味ある」とか「役立つ」って、物差しをもう使わない。これからは「面白い」とか「心が動く」とかに、物差し自体が変わっていく。
自分の子供を見てて、このずっとYouTube見てる奴が大人になったら、「面白い」とかの物差ししか持ってないと思った。
そうなった時、ビジネスも同じ物差しを持ってないと、単なるコモディティになる。
だから、アートの本って売れるけど、ビジネスマンに必要なアートの文脈じゃなくて、本当に無意味にやる事が、ビジネス書になっていく。
俳句がいいね、俳句が好きだからやってるみたいな。それがビジネスにどう紐づくかは説明する必要もない。
小説もビジネス書に似てきた
井上 無駄なものが生まれて、アートにいくのであれば、この時代、小説ってもっと面白くなっていい。
今、小説自体もビジネスチックになっている。笑い、泣き、スッキリするみたいな、顕在的な読者のニーズに対し、何か情報として提供する。
割とビジネス書と同じノウハウが、小説の中にも組み込まれていてる。
箕輪 ある意味で、井上さんが言ったことが矛盾を証明している。
小説はもっと求められてもいいはずだけど、小説が売れてもいいはずと結びつかなくてもいい。要は、売れるをゴールにすると、矛盾が生じる。
井上 企画も似てきますよね。小説もビジネス書も、事前に説明可能な物しか通らなくなる。
落合 欲しがるものと、コンテンツとしてみんなに共感されるものと、バランスを考えながら作らないと、本当に価値があるものは作れない。
要は、コンテンツとして、量産されてかつ多数に消費されるものが、必ずしも価値の高いものになるとは限らない。
そこを、KPIにしない出版社っていうのは、なかなか出てこない。
写真集は背表紙を買っている
落合 ほとんどの写真集は背表紙を買ってる。
本棚にさしたら、背表紙だけ見えて、人生でほとんど開かない。人生の時間で、中の写真を眺めてる時間より、背表紙眺めてる時間が長いのよ。
タイトル以上の情報を出したかったら、飾れるようにするしかない。
背表紙だけだったら、500円か1000円ぐらい。
飾れて、生活空間で一日何十回も見るんだったら、しかもそれが毎回切り替えられるんだったら、アート的な価値が上がっていく。
そう思って、そんな写真集を出した。
解像度を薄める時代は終わった
記事でご紹介したのは、議論のほんの一部分。
・不合理なことをやらないと成長しない
・異常な一人の偏愛がブランドをつくる
白熱した議論は、ぜひ本編にてご覧ください。
次回は「メイクマネーUNDER30」SP
4月10日は、メドメイン代表取締役の飯塚統さんと、ZEALS代表取締役の清水正大さんをゲストにお迎えします。
「メイクマネー」にて、NewsPicksオールスターズとの極限のプレゼンバトルをくぐり抜け、優勝を手にした飯塚さんと、特別賞の清水さん。
若き起業家に、落合さんは何を語るのか──。
NewsPicksアカデミア会員の皆様は、下記のページより、番組観覧にお申込みいただけます。(先着40名)
<執筆:潘嘉敏、デザイン:片山亜弥、潘嘉敏>