【落合陽一×麻野耕司】チームをアップデートせよ
2019/4/5
毎週水曜夜10時からの『WEEKLY OCHIAI』。4/3のテーマは「チームのアップデート」。リンクアンドモチベーション取締役の麻野耕司さんをゲストにお迎えし、組織について議論しました。
現場に「チームの法則」を届けたい
新著『THE TEAM』にて、5つの法則をもとに、成功するチームを説いている、麻野耕司さん。
この日のWEEKLY OCHIAIは、組織とモチベーションについて議論した。
全企業1年契約にすればいい
落合 組織の中で問題なのは、組織を変えるモチベーションがない人。今の立ち位置は捨てたくはないが、モチベーションのない人が溜まって、組織は動かなくなる。
ここにしがみついていれば定年退職金が貰えるとか、そういう感じの人が組織が大きくなると増えてくる。
溜まってるグダグダ層は、グダグダし続ける。
落合 日本企業って、基本的に社会保障的な立ち位置。そんな簡単にはクビにならない。
モチベーションがない人でも、言われたことをやっていれば仕事になった時代が長く続いた。
そこで醸成された価値観は、何があっても会社をクビにならないようにしよう。
麻野 全企業1年契約にすればいい。そしたら、だいぶ良くなる。
今、雇いたくない人を企業は雇ってるし、働きたくない会社で人は働いている。両方とも不幸なのに、それを維持している。
でも、全部1年契約にすれば、働きたくない会社で働かなくなる。逆に、雇いたくない人も雇わなくなる。そういうマクロのアプローチが出来れば、一気に良くなる。
令和時代の日本組織と相性がいいのは
──Philosophy型の組織は日本にありますか。
麻野 最近は出てきてるけど、ちょっと少ないかもしれない。
日本企業はマーケットも限られてるので、コングロマリット化しやすい。複数の事業になると、フィロソフィーでやるのって難しい。
アメリカだと、1プロダクトとか1事業とか、その周辺領域で結構大きくなるので、フィロソフィーで束ねる会社が多い傾向がある。
──令和時代の日本組織として、相性がいいのはなんでしょう。
麻野 まず、相対的にはPrivilegeを重視する人は減っていく。食うために働く感覚は当然減ってきている。
今、マネジメントで上手くいかないのって、世代のギャップ。昭和世代は、給料もらってんだからやれよって言うんですけど、それだと動かない傾向がある。
金銭報酬・地位報酬から感情報酬・意味報酬に動いていく、大きなトレンドがすごく大事。それには、アジャストしていかないといけない。
有閑階級の再興
落合 ただなんかその辺で遊んでたら、新しいものを見つけるみたいなことはよくある。
新しいものを見つける人には、暇が必要。十中八九出ない、画期的なものはそこから出てくる。
今の社会構造は、その存在を殺しちゃう。
──企業は暇にしていて、すごい物を生み出す人ってあまりいないですよね。
落合 企業は、あんまりない。会社にいて、暇な人が成果出すか出さないは、結構キー。
会社が十分に利潤があったら、暇な人がいた方が面白いものは作れるとちょっと思うけど、多分ないね。
アーティストは暇な方がいいもの作ると思う。起業家とかも。暇な人の方がいいものを、突然ひらめくことがある。
そっちタイプの人達は放牧可能だったら、組織からいなくなってもらえばいい。
けど、社会保障がない状態で放牧すると、社会不安になるから大きな問題。社会保障とセットじゃないと、雇用関係はいじれない。
──平成が失ったのは有閑階級かもしれないですね。昭和も結構なくなったかもしれないけど、まだいましたよね。
落合 これから増えるんじゃないですか。
今、中間層が猛烈に減って貧しくなってるから。超暇な人たちが良いものを生み出すと思う。
自らチームをつくろう
「組織とかモチベーションは考え尽くしたと思っていた。」(麻野)
組織改革について、マクロからはモチベーションクラウドやVorkers、ミクロからは著書を通して、ノウハウを届けてきた麻野さん。
しかし、それでも動かない層はどうすれば良いのか──。
議論の全貌は、ぜひ本編にてご覧ください。
次回は「本をアップデートせよ」
4月3日は、NewsPicks Book 編集長の幻冬舎、箕輪厚介さんと、NewsPicksパブリッシング 編集長の井上慎平さんをゲストにお迎えします。
テーマは「本」。
本は、SNSやゲーム、ファッションなどとの可処分時間、可処分精神の奪い合いに勝てるのか。
これからの本のあり方を議論します。
NewsPicksアカデミア会員の皆様は、下記のページより、番組観覧にお申込みいただけます。(先着40名)
<執筆:潘嘉敏、デザイン:片山亜弥、潘嘉敏>