塩野義製薬「デジタル薬」に参入 ゲームで発達障害を治療
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モバイルヘルスの発展は今後間違いなく起こりますが、既存の法規制を当てはめられない可能性が高く、モバイルヘルス独自の法規制をあらかじめしっかりと確立しておく必要があります。
医療の世界では安全が第一です。安全で有効であることが臨床試験で確認されたアプリケーションでなければ、それは患者さんの誤誘導、ひいては健康を損ねることにつながります。有効なアプリが開発されれば、似て非なる未承認のアプリまで開発されて商売が行われるのは世の常です。たとえゲームであれ、重度の依存症を引き起こせば、症状を悪化させることも懸念されます。また、アメリカ人に有効でも、日本人に有効でない可能性もありますから、国内でも再試験を行うべきです。
加えて、アプリで回収された全ての情報が確実に守られる必要があります。このような健康情報はヘルスケアの世界に限らず価値を生み出す可能性があり、情報漏洩のリスクと隣り合わせです。処方した患者の情報を確実にどう守るかも課題です。
電子カルテとの連動という側面も鍵になります。電子カルテの情報とアプリで回収された情報が有機的に統合されることで、回収された情報がより意義高く治療として活用されることとなります。また、情報の機密性という観点からも、電子カルテシステムのclosed loopの中で管理される方が良いといえるでしょう。
しかしだからと言って、政策は規制するばかりでなくこのモバイルヘルスを後押しすべきと思いますが、有効であることが示されたアプリケーションを「選択的に」広げていく必要があります。イノベーションと規制の間で絶妙なバランスを取る能力が求められるということです。
モバイルヘルスを正しい方向に進めるためには、法規制だけでなく、国内における迅速で確実な承認システムの確立、承認アプリ(正規品)がどれなのかを示すわかりやすい承認ロゴの準備や、国家レベルでの承認後アプリのリストの作成、公開など、多くの新たな政策の動きが必要とされるでしょう。これはとても興味深い。
発達障害という症状自体は昔からあったのでしょうが、近年急に耳にするようになった気がします。
「デジタル薬」が発達障害以外の病気や症状にも応用できるのか、その点も気になります。老舗による意義ある取り組み。本製品を含むモバイルヘルス(mHealth)は米国ではFDAが約200品を認可しガイドラインも出されていますが、日本ではまだごく僅か。ドラックラグならぬデジタルラグは深刻です。