成功は、日々の生活の些細なことから生まれる

今も昔もトップパフォーマーたちは、儀式のように「変わらない行動」を非常に重視する人物であることが伝えられてきた。
スティーブ・ジョブズはいつも黒のタートルネックを着ていたし、チャールズ・ディケンズは毎日の散歩を欠かさなかった。マーク・ザッカーバーグも普段はTシャツ姿だし、大統領たちは数着のスーツを着まわしていることが多い。
それには理由がある。トップパフォーマーであることには多くの責任が伴い、それには膨大な精神力を必要とする。だからこそ、トップパフォーマーであるためには、生活の細部にフォーカスすることが必要なのだ。
あなたにも、朝のルーティンや毎日の瞑想、運動についての計画はあるだろう。しかし、ランチに関する考えはあるだろうか。
先日『アトランティック』誌の記事が「毎日同じ食事をする人」について焦点を当てていた。
私も「同じ食事」を習慣にしているが、私がいつも同じ食事をするのはなぜか、生産性を上げたいと考えている人にとって同じ食事をすることがなぜ重要なのか、この記事を読むことで改めて意識させられた。
なぜ重要なのか、その理由を2つ、以下で紹介しよう。

1. 大きな決断のために、精神力を取っておく

毎朝、私たちは気力が満タンの状態で一日をスタートする。そして、スマートフォンの充電が減っていくように、私たちの脳も時間とともに消耗していく。
あなたがやることは、すべてにコストがかかる。他より高くつくものもあるが、それでもあなたは代価を支払わなければいけない。ランチに何を食べるか考えためにエネルギーを浪費することは、質の高い意思決定を行う能力から、貴重なエネルギー源が奪われることを意味する。
ジェフ・ベゾスは「経営幹部としての毎日の重要な仕事は、少数の質の高い決断をすることだ」と述べている。自分の人生と、ビジネスの両方において経営幹部であるあなたも、ベゾスと同じ指針を取り入れることが不可欠だ。
そこで、重要な場面に備えて、つねに精神力が充分満ち足りた状態でいるために、栄養度の高いランチを1つに決めておこう。それではあまりにも極端すぎだと思う場合には、よく食べるランチを2種類用意し、1日おきに交互に食べればよい。

2. ストレスを減らし、心の平和を増大させる

私な長年コンサルティングをしてきたが、健康的な食事療法を取り入れようとしていた人たちは、食べ物をさらなるストレス要因に変えてしまう傾向があることがわかってきた(とくに、よく遊びよく働き、競争的でエネルギッシュなタイプの人がそうだ)。
ソーシャルメディアが広く普及し、一見すると新しい(相互に矛盾することも少なくなり)アドバイスをよく見かけるようになった結果、食べ物がストレスに感じられる可能性はよりいっそう高まっている。
さらに私たちは、急速に変化を続ける社会で生きている。こうしたなかで活力と生産性を保つためには、ありふれたシンプルな領域を見つけることが非常に重要となってくる。
自分の健康のある側面を自動操縦モードに任せることができれば、生活のあらゆる面に影響する巨大なドミノが倒れないよう、固められることになる。
自社製品に不測の事態が起こるかもしれないし、顧客がクレームをつけてくるかもしれない。最後の最後に契約が中止になる可能性もある。すべてがストレスの原因となり、毎日のエネルギーを消耗させる。
こうした予期しないストレス要因はコントロールできないが、それを解決するためにも、ランチなど他の領域での消耗を軽減させることはできる。
洋服の着まわしや朝のルーティンを最適化することで、意思決定の疲労を減らすことは有益だが、同じランチを食べ続けるといった些細な行動も見過ごさないでほしい。最も小さい習慣が、しばしば最大の突破口につながるのだから。
原文はこちら(英語)。
(執筆:Julian Hayes II/Founder, The Art of Fitness & Life、翻訳:新多可奈子/ガリレオ、写真:ersinkisacik/iStock)
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This article was translated and edited by NewsPicks in conjunction with IBM.