(ブルームバーグ): 米国際貿易委員会(ITC)は26日、米アップルがクアルコムの特許を侵害しているとの訴えの1つを退ける最終決定を下し、アップルはこの件に関して「iPhone(アイフォーン)」の輸入禁止を免れた。一方、クアルコムがITCに申し立てていたアップルによる別の特許侵害については、この日先に、特許1件の侵害を認定する仮決定が下された。

ITCは最終決定で、バッテリー節約に関するクアルコムの特許を無効とした。もう1つのケースでは、ITC判事が別の種類の特許侵害を認定する仮決定をし、アイフォーンの一部旧モデル輸入禁止を勧告した。最終決定は7月の予定。

アップルとクアルコムはこの2件を含め、2年余り前から世界で80件の訴訟合戦を繰り広げている。クアルコムは輸入禁止などを勝ち取れば、技術供与交渉を優位に進められると期待している。クアルコムは未払いの巨額の特許使用料があると主張している。

一方、アップルはITCの2件に関して特許侵害を否定。米国を拠点とする唯一の競合企業をクアルコムは市場から追い出そうとしており、これは次世代通信規格「5G」の進展を阻害すると主張した。また、特許侵害が認定されても輸入禁止措置を課すべきではないと訴えた。

クアルコムの株価はITCの仮決定後に急伸。終値は2.4%高となった。アップルは1.0%安。

原題:Apple Dodges One Import Ban in Qualcomm Fight, Faces Another (1)(抜粋)

--取材協力:Mark Gurman.

記事に関する記者への問い合わせ先:ワシントン Susan Decker sdecker1@bloomberg.net;サンフランシスコ Ian King ianking@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先:Jon Morgan jmorgan97@bloomberg.net, Alistair Barr

©2019 Bloomberg L.P.