【猪瀬直樹】妻の突然の死、皇室の招致活動参加

2019/4/19

オリンピック誘致という戦

僕は『昭和16年夏の敗戦』でアメリカと戦争をしたらどうなるかというシミュレーションを総力戦研究所の若い研究生による模擬内閣で行なったところ、予測が正確だったと書いた。
「緒戦は勝っても、しだいに物量、つまり経済力の差は明確になりし、 3年から4年で敗戦を迎える」との見通しだった。
だが現実にはその予測は生かせなかった。実際の内閣と軍部は正確なデータによる予測をせずに戦争に突入した。日本には意思決定の中枢が不在だったからだ。 
開戦を決断するときに組織が縦割りでバラバラで、海軍と陸軍はそれぞれ持っている石油の備蓄量を互いに申告しない。敵と戦うのに味方が分裂していて勝てるわけがない。