【高島宗一郎】価値観の違う人々をまとめるリーダーの極意

2019/5/2

公立校だからこそ学べたこと

小学校と中学校は市立、高校は県立の学校に通っていました。そうするとやはり、私立とは違い、いろいろな家庭環境の子がいるわけです。
クラスにも、いわゆるお金持ちの子から貧困家庭の子までふつうに混在していました。当時はあまり意識していなかったけれど、最近メディアで取り上げられているような家庭問題が、となりに座っている子の日常だったりする。
その事実を痛感できたのは、中学1年生から生徒会に入っていたから。とはいえ強制的に「入れられた」ようなもので、特段リーダーシップがあったわけではなかったんですけどね。
それで、そんな集団をまとめる立場になってみると、自分とは違う価値観や考え方を持っている人がいることをひしひしと感じるんですよ。
正解・不正解の話じゃなくて、そもそもの文化や常識、前提が違う。だから話が通じない。
こちらがどれだけよかれと思っても理解してもらえない、受け入れられないことも何度も経験しました。
また、何かを新しく始め、進めるときには、必ず反対する人がいるということもここで学びました。反対意見をすべてのみ込んでいては、物事は前に進まない。
でも、小さな生徒会が周りの反発を抑え込んで実行しても、うまくいくはずがない。
ではどうしていたかというと、たとえばまずは学校ヒエラルキーのトップにいるヤンキー的な子たちを巻き込んで、空気をつくるんです。彼らの力を借りながら学校全体を盛り上げる。そのうえで、秩序をつくっていく。
思い返せば当時から、「全体」をよりよく動かすためにはどうすればいいか、知恵を絞っていましたね。
いままさに行政の長として意識していることを、少しずつ学んでいった中学時代でした。