[14日 ロイター] - 米配車大手ウーバー・テクノロジーズ[UBER.UL]は4月にも新規株式公開(IPO)に向けた手続きを開始する予定だ。複数の関係筋が14日、明らかにした。

関係筋によると、同社は来月IPOに必要な申請書(S―1)を提出し、投資家向け説明会を開催する見通し。

IPOでは、企業価値が最高1200億ドルと評価されることを目指す。

ウーバーからのコメントは得られていない。

同業リフトは今月初旬、ウーバーに先駆けIPOを正式に申請。関係筋によると、3月末までに実施するもよう。

両社が相次いでIPOを行うことで、配車企業に対する市場の投資意欲が試される可能性がある。

リフトはウーバーより規模が小さく、米国やカナダの一部都市で配車および自転車レンタル事業を展開している。IPOでは200億─250億ドルの時価総額を目指している。

ウーバーは70カ国以上で事業を展開し、内容も配車のほかに自転車・スクーターのレンタルや貨物輸送、食事宅配、自動運転車と多岐にわたる。このため、リフトと比べてより複雑な事業について投資家を説得することが課題になる。

ウーバーに先駆けてリフトが上場することは、両社にとってプラスとなる見通しだ。リフトはウーバーに先行することで、高成長のハイテク企業に対する投資家の蓄積した需要を取り込むことができる。ウーバーにとっては、リフトのIPOが成功すれば高い時価総額を要求することが可能になる。

一方で、配車企業に対する市場の関心の限界が試される可能性もあり、ルネッサンス・キャピタルのプリンシパル兼IPO上場投信責任者、キャスリーン・スミス氏は「市場が配車企業に振り向ける資本には限界がある。両社は資本獲得を競うことになるだろう」と話した。