【独占・稲葉善治】ソフトウェアで負けたら、ファナックに「未来」はない

2019/3/13
世界的なFA(工場自動化)とロボットメーカーとしてその名を轟かせてきたファナック。この名門企業に、大きな変化の波が訪れている。
IoT(Internet of Things:モノのインターネット)や人工知能(AI)のテクノロジーによって「工場のスマート化」が加速しているからだ。この世界では膨大なデータを処理し、新しい付加価値を生み出すソフトウェアが勝利の行方を左右する。
これまでのように、ロボット単体の性能を高めるだけで勝ち残れない。そんなゲームのルールが変わりつつある時代に、この秘密企業はどんな手を打つのか。
NewsPicks編集部は、創業家出身のトップである稲葉善治会長に独占インタビュー。世界の自動化を牽引する、ファナックの未来について聞いた。
稲葉善治(いなば・よしはる)/ファナック会長兼最高経営責任者(CEO)。1948年、茨城県出身。73年東京工業大学工学部機械工学科を卒業し、いすゞ自動車に入社する。83年ファナックに入社し、2001年副社長などを経て16年より現職。

人工知能で「夢が現実」に

──人工知能やIoTのテクノロジーは、70年以上の歴史があるファナックにとって、どのような意味をもつのでしょう。