【The UPDATE】子供のスマホ利用は制限すべきか

2019/3/9
毎週火曜夜9時からTwitterで配信中の『The UPDATE』。今回のテーマは「子供のスマホ利用は制限すべきか?」。子供4人を東大理三に合格させたプロ教育ママや、IT教育プログラムを運営する会社の取締役など、多彩なゲストを招いて議論しました。

番組を視聴するには、番組公式Twitterアカウント(@TheUPDATE_NP)をフォローしてください。火曜夜9時のライブ配信の開始をTwitterでお知らせします。
画像タップで番組本編が視聴できます(Twitterに遷移します)

子供とスマホの関係

小学生の約3割、高校生ではほぼ全員がスマホを持つ時代。
利用内容としては、動画視聴が最も多く、ゲーム、コミュニケーションなどが続きます。また、利用時間は約6割の子供が2時間を超える結果に。
そして、スマホ利用のルールに関しては、大半の保護者が利用を管理していると答える一方、子供にはその認識が低く、親子間でギャップが生まれている状況にあります。
そこで、今回は「子供のスマホ利用は制限すべきか?」をテーマに、白熱した議論を繰り広げました。

YouTubeの海に溺れろ

古坂 スマホだけでなく「禁止」するかどうかは家庭の問題。職業柄、今までルールが嫌いで自由に生きてきたが、いざ子供が生まれると「家庭のルール」が現実問題になってくる。うちの子は8ヶ月で、YouTubeがないとごはんを食べてくれない。
箕輪 うちの子はスマホの電池が切れるまでずっとYouTubeを見ている。喋り方も「今日は、この水を、飲みたいと思います」みたいにYouTuberっぽくなっている。
レギュラーコメンテーターの幻冬舎・箕輪厚介さん。
僕自身スマホがない時代に育ったから利用を制限しようとも思う。
だけど、どちらかというとスマホがなくてはならない時代だから、誰よりもそこに飛び込め、利用しろという思いの方が強い。「YouTubeの海に溺れろ」と。
讃井 僕もスマホ利用は賛成です。そもそも平成も終わるこのタイミングで、スマホを制限するというスタート地点がおかしいと思う。
制限するのではなく、どう使っていくかを議論していくのが未来思考だと思う。

制限しないと子供は溺れる

佐藤 いやいやいや、ありえない。制限しないと子供は溺れ死んでしまう。お米を薪で炊いていたのが炊飯器になり便利になったのと、スマホの便利さは全く質が異なる。
スマホは全世界につながっていて、様々な情報が流出してしまうリスクがある。それを理解できない未熟な子供に対しては、制限をし、触れさせないことが大切。
箕輪 佐藤ママの言うこともわかる。確かに、地頭が良かったり、受験勉強や部活など死ぬほど頑張ったりしている人は、スマホだろうがなんだろうが後から順応する力がある。
ただ、もうこれからはスマホが当たり前の世の中だから、「はい、どうぞ」といきなり後から渡すよりも、子供の頃から持って感覚値として知っておいた方がいい。
高濱 我が家では、26年間ゲームを禁止して子育てしてきた。スティーブ・ジョブズも自分の子供にiPhoneやiPadを禁止していた。なぜかというと、対人関係の力を身につける貴重な時間が奪われるから。
ただ、教育は賭けのようなもので、スマホで育った子供がどういう大人になるか結果がでるのは20年、30年後。だから最後は各家庭で決めるべき。

明石ガクト氏、緊急参戦

古坂 ずっと横で議論を楽しそうに聞いている動画の第一人者、明石さん。是非こっちに来てリングインしてください。
明石 議論を聞いていて、佐藤ママが言っていることはすごくルソー的。そして、今は論点がごちゃ混ぜになってしまっている。
計算機としてのスマホ、スマホを通じて触れるメディアなど、スマホのどの部分についてなのか。全部、制限すべきだと思ってる?
讃井 スマホをどうみているかという議論は、世代によって捉え方が違う。電話やゲーム機とみるのか?僕らの世代はデジタルネイティブ、スマホネイティブから一歩進んで、クラウドネイティブ。
インターネットを通じて情報や動画などに触れてきたことで、スマホを「テックによって僕らの人生の可能性を増幅させてくれる機械」だと捉えている。

過保護な禁止と放任のあいだ

明石 逆説的に、佐藤ママは誰よりもスマホを信じている。今の小学生は楽しいものがたくさんあって、スマホはその中の1つでしかない。バランスをとって楽しんでいるのに、完全禁止にするのは違う。
佐藤 私はスマホの危険性の方を心配している。12歳までの子供はできるだけ守らなければならない存在。
古坂 あえて佐藤ママの肩を持つと、売春や麻薬、炎上などの0ではないわずかな危険性を考え、禁止ということも理解できる。
讃井 今は親が関わる方法が2つしかない。過保護な親として管理をするか、放任でずっとYouTubeを見させておくかのどちらか。
しかし、本来目指すべきはその間。その間を取りにいくのが大人の責任。

読書はYouTubeより有益?

箕輪 佐々木さんはなんでスマホ禁止派なんですか?NewsPicksのようなデジタルのサービスをやっていて。
佐々木 禁止というわけではないけど、スマホのリテラシーをあげることってそんなに難しい?別に大したものじゃないからすぐ追いつくと思う。明らかにYouTubeの1時間より、本を読んだ1時間の方がいい。
明石 そんなことはないですよ!なんで今、動画で勉強を教えるカリキュラムが増えているんですかって話ですよ。NewsPicksでもMOOCやってるでしょ!
大室 例えば、戦後すぐは本を読んでいると思想に染まると言われ、親に怒られた。だから本は悪いもので、子供は隠れて読んだ。
その次に、本はいいものだとなった時、子供は隠れて漫画を読んだ。そして今は、漫画ですら教育にいいと言われ、子供は一生懸命隠れて動画を見ている。
つまり僕らはただイメージで語っているにすぎない。歴史があるものの方がいいコンテンツがあるだけで、エビデンスはない。
番組終盤、ハイボール片手に乱入した産業医・大室正志さん。
佐々木 テレビは生まれてからある程度時間が経った。テレビばっかり見ていた人と、本ばっかり見ていた人だと、本ばっかりの人の方が、ちゃんと知的階層になっている。
高濱 子供がしていることで、何が伸びているのか?あるいは、無駄に過ごしているのか?ということを言語化まったくできないまま、YouTube=ダメとしてしまっている。
だから本当に重要なのは、子供が何を想像しているか?どういう真実を掴んでいるか?ということ。究極は、感性をきちんと鍛えてあげることが大事。

古坂大魔王が選んだ今週の金言

動画の第一人者明石さんや産業医の大室さん、NewsPicksママコミュニティのメンバーらが場外から飛び入り参加。白熱した議論の最後は、番組MCの古坂大魔王が選ぶ「King of Comment」
古坂大魔王が選んだのは、佐藤ママの発言でした。
佐藤ママのこの発言は、どんな文脈で飛び出したのか、ぜひ本編をご覧ください。

次回は「ニューエリートの就活」

ゲストに、Vokers取締役副社長でリンクアンドモチベーション取締役の麻野耕司さんと、企業の「 働き方事例 」の研究に取り組む一般社団法人at Will Work代表理事の藤本あゆみさんをお迎えします。
そこで、次回は、これからの日本を担う学生をスタジオ観覧に50名限定で、無料ご招待します。
NewsPicks学割会員の皆様は、3月8日(金)に送付済みのメルマガから、ご応募いただけます。
メルマガを受け取っていない学生ユーザーの方は、下記の画像をタップして、必要事項を入力の上、ご応募ください。
画像タップで観覧申し込みフォームに遷移します。
【観覧日時】:3月12日(火)21時00分〜22時00分(20時20分集合)
【観覧場所】:NewsPicks Roppongi(東京都港区六本木7-7-7 トライセブンロッポンギ3階)
【応募締切】:3月10日(日)23時59分
当選された50名には、3月11日(月)中に当日のご案内メールをお送りいたします。
<執筆:折茂彰弘、編集:安岡大輔、デザイン:斉藤我空>