【落合陽一×茂木健一郎×柳瀬博一】メディアをアップデートせよ
2019/3/15
毎週水曜夜10時からの『WEEKLY OCHIAI』。3/13のテーマは「メディアのアップデート」。茂木健一郎さんと柳瀬博一さんをゲストにお迎えし、メディアの未来について議論しました。
メディアの未来を考えよう
「ハードウェアとプラットフォームの進化がメディア。」(柳瀬)
インターネットとスマートフォンが普及した、デジタル時代。私たちは「メディア」の存在に、大きく行動を変化させられている。
今後、メディアはどう変わり行くのか──。
この日の「WEEKLY OCHIAI」は、メディアの未来と日本のカルチャーを議論した。
脳をマイニングしよう
茂木 最近の脳についての言説を見てると、脳がマイニングされるべきナチュラルリソースという考え方がすごく支配的。
エネルギー効率とか見ても、スパコンとかよりも実は脳を使うべき。
だから、今AIばかり注目されてるけど、脳がサボってるから、もっとマイニングしようぜ、酷使しようぜみたいな話になってくる。
『FACTFULNESS』という本は何がポイントかというと、データプレゼンテーションのイノベーションがあったということ。
でも、意外とプレゼンテーションはプリミティブ。もっとコンピューターとグラフィックスの共進化が起こると、脳に物凄い量の情報がくる。
脳を勝手にマイニングして、脳を使ったメディア環境でコンピュテーションが行われる。俺の脳を自由に使って、みたいな未来がある気がする。
今のSNSは石器時代
落合 Twitterはコンピューテーションですね。でも文字に寄ってる。インスタは検索性が悪い。
茂木 だから、まだこれが良いってメディアがないんだよね。
落合 言葉と言葉が紐づくのは、memexの時代からあまり変わらない。その世界観からすると、ここ70年くらいハイパーテキストやってる。
茂木 今我々が見てる TwitterとかFacebookとか、ああいうメディアってって、将来から見ると石器時代なんだよね。
落合 そうそう、1970年代からずっとハイパーテキストですね。
──5Gになって容量が大きくなると、そこは変わるんでしょうか。
落合 変わると信じたい。画像と画像の類似性から、ハイパーテキスト的にやってくスタイルって、あまりメディアで確立されてないですよね。
つまり、タグを追いかけるのがハイパーテキスト的で、それを超えてない。
類似画像で出てくるのは、Youtubeのリコメンドとかあるけど、まだ言葉に寄ってる。
日本を捨てなきゃいけない
落合 日本ってまぐれ当たりを出して、当たるところまで行く。だけど、それを大人的に練り上げていく、例えばビジネスモデルを拡張するところは、ちょっと弱い。
iモードもですけど、多分VRも同じ感じになる。ちょっと早くて、ちょっと失速気味の時に、メインカルチャーから批判されるんですよ。
そんなこと気にせず打ち込めばいいのに、中のヘイト的な足の引っ張りが大きい。もう国内どうでもいいわって、捨てられるかどうか。
柳瀬 結果論でいうと、メジャーコンテンツを集めることが出来ていない。
ハコに関していうと、2ちゃんにしても、ニコ動にしても、アメリカより早いんですよ。
SNSだって、Facebookとほぼ同じタイミングでmixiやGREEが出来てるわけだから、もったいないですよね。
何が面白いかを基準に
茂木 マクルーハンのGlobal villageという予言があるわけですよ。メディア的にはGlobal villageになってるわけだから、日本は関係ない。
だから、国際宇宙ステーションから見ている視点でメディアは考えないと。
落合 何が面白いかだもんね。
茂木 そう。何が面白いかを基準に、Global villageの隅々まで見るという風にしないと、やっぱ次には行けないと思うんだよね。
見落としてるものいっぱいあると思うよ。
日本ならではのメディア論
「コンテンツに注目しても意味がない。メディアの存在自体が我々の内面を変える。」(茂木)
記事でご紹介したのは、議論のほんの一部分。
・間違った「クールジャパン」
・アートマーケットとコミケは昼と夜
・キリストは当時のイノベーター
白熱した議論を、ぜひ本編でお楽しみ下さい。
次回は「日本経済をアップデートせよ」
3月20日は、経済同友会代表幹事の小林喜光さんをゲストにお迎えします。
テーマは「日本経済」。
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<執筆:潘嘉敏、デザイン:片山亜弥、潘嘉敏>