日本人の給料がほとんど上がらない5つの要因
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挙げられた5点のうち、正しいのは⑤です。①労働組合の弱体化→賃金の源泉は企業の売り上げであり、売り上げを生み出すのは労組ではありません。②非正規雇用者の増加→因果関係が逆で、企業の稼ぐ力が落ちているから雇用コストが柔軟な非正規雇用を増やしているのです。③少子高齢化の影響→同じく企業の稼ぐ力が弱いから高齢者を低賃金で雇っているのです。④内部留保を貯め込んで賃金を上げない経営者→規制が厳しく将来の展望が開けないうえ、いったん上げた賃金を減らせない日本では、やむをえません。⑤規制緩和の遅れがもたらした賃金低迷→これが真の原因。規制緩和の遅れには労働市場の規制を含みます。
注目のコメント
日本人の給与が上がらない理由として、筆者が挙げている5要因に加えて、労働市場の流動性の低さも大きいと思います。
2、3年前、中国の同業アナリストに聞いた話では、転職の度に交渉して賃金を引き上げているとのこと。引き抜かれた企業も、補充のために、以前よりは高い給与で他の人を採用しなければならなくなり、全体に給与水準が上がっているようです。
これは極端な例ですが、労働者が辞めるに辞められない日本では、企業が労働者に対し、事実上独占的な力を発揮できてしまいますよね…
以前からの問題ではありますが、改めて、労働市場の活性化の必要性を感じました。いやいや、アベノミクス以降新規雇用者数が増えたことと消費増税で実質賃金の下落はかなり説明できるでしょう。
そもそも、国民が豊かになっているかを見るには、人件費を労働者数で割った賃金ではなく、人件費を15際以上人口で割った値で見るべきでしょう。それなら明確に増えてます。要因を断定するには、学術的な精査が必要で時期尚早。印象論の域を出ない。
現時点で、この論点について、多くの経済学者の学術的な分析をまとめたものとして優れているのは、
玄田有史編「人手不足なのになぜ賃金が上がらないのか」慶應義塾大学出版会
https://www.keio-up.co.jp/np/detail_contents.do?goods_id=3347