【直撃】世直しに挑む、オーストラリアの大富豪ITコンビ

2019/2/20

「金持ち有名人」から「活動家」へ

アトラシアンは、一見、ひどく退屈なソフトウェア会社だ。
ソフトウェアエンジニアとプロジェクトマネジャーのための製品を開発している同社では、これまでにジラ(ソフトウェア・プロジェクト管理とバグ追跡)やフィッシュアイ(リビジョン機能制御用ブラウザ)などのヒット製品を出している。コンフルエンス(企業向けのWikiツール)の存在も忘れるわけにはいかないだろう。
とはいえ、一般層にとっては地味な会社と言える。
ところが、同社を設立したスコット・ファーカーとマイク・キャノンブルックス(ともに39歳)の2人は、オーストラリアではたいへんな有名人だ。
その理由は、2人がオーストラリア初の「IT長者」だから。
ファーカーは2017年に、オーストラリアで最も高価な住宅を購入した。シドニーの由緒ある豪邸で、購入価格は5200万ドル。同じ年の12月、今度はキャノンブルックスがファーカー家の隣の豪邸を購入し、その記録を破った。
だが、それだけではない。昨年来、2人は「声を上げる」大富豪としても知られるようになっている。