サウジアラビア 外国人の観光旅行解禁へ 遺跡にホテル建設計画
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マダイン・サーレハ(アル・ヒジュル)はイスラム版ソドムとゴモラともいうべき場所。
クルアーンによればかつてはヒジュルはサムード族という人達が住むとても大きな街でしたが、人々は多神教を信じ、偶像崇拝や不道徳が蔓延し、そのためサーレフという預言者が遣わされました。
サーレフは見たこともないラクダを何もいない場所から出現させるという奇跡でアッラーの存在を信じさせようとしましたが、人々は信じずラクダを打ち殺してしまいました。
アッラーは怒り、雷撃と地震によって一夜にして街は崩壊し、サムード族はサーレフとその信者を除いて滅亡したと記載されています。
因みにマダイン・サーレハがゴモラなら、ソドムに当たるのはアード族の街アード(現在のイエメンのウバーあたり)。
こちらは第二のバベルの塔を作ろうとして暴風によってアッラーに滅ぼされています。
クルアーンの故事だけでなく歴史的にも重要な場所なので、ビザが発給されるようになったら、早速行ってこようと思います。マダイン・サーリヒは、2世紀まで繁栄していたナバテア王国の都市の遺構です。ナバテア人は、ラクダのキャラバンによる中継貿易で大きな利益を上げ、サウディアラビア人の先祖の一つです。ヨルダンにあるペトラの遺跡もナバテア王国の都市の後ですが、ペトラに比べるとマダイン・サーリヒの方はマイナーでしょう。
やはり日本人には縁の遠い地域ですが、ナバテア王国は古代イスラエルや古代ローマには多少の関りがあるので、欧米人は比較的関心を持ちやすいでしょう。イスラームでは、住民が罪深かったので、預言者サーリヒが警告に送られたものの、結局罰されて滅ぼされた都市であるとされています。
いかんせん交通の便がよくないです。ジェッダから陸路で500キロ、しかもマディーナを経由する必要があるので、非ムスリムは通れないでしょう。非ムスリムでもたどり着けないことはないですが、よほどのもの好きでなければそこまで苦労して行かないでしょう。
結局、サウディアラビア政府も本気で外国人観光客が何万人も来るとは思っていないでしょう。欧米メディア向けのアリバイ的な発表と見た方がいいでしょう。現在も観光ビザは発給されていますが、公式イベント(カンファレンスやスポーツ大会等)期間中のみという限定的なものです。
観光という点ではポテンシャルはあるのですが、いかんせん目の敵のようにしてオスマントルコ時代の遺跡を壊しまくってきたので、目が肥えた観光客を満足させられるかはやや疑問。
これまで簡単には観光目的で入国できなかったので、物珍しさで当初は人が押し寄せるでしょうが、リピーターを呼び込めるかは微妙ですね。
個人的には非ムスリムがメッカとマディーナへ立ち入ることをこれまで通りに認めなければ文句はありません。