[東京 17日 ロイター] - 日本電産<6594.T>は、2019年3月期の業績予想を下方修正すると17日に発表した。米中貿易摩擦による実体経済へのマイナスの影響で、想定を上回る需要減に加え、大規模な在庫調整が進行していることを反映させた。増収増益予想は一転、減収減益予想となる。

会見した永守重信会長は「長い経営の経験の中で、12月は見たことがない落ち込みがあった」と説明。「11月と12月の変化は尋常ではない。この変化を甘く見てはいけない」と語った。

売上高予想は前年比2.5%減の1兆4500億円(従来予想は同7.5%増の1兆6000億円)に下方修正した。この減収は営業利益を400億円押し下げる見通し。 「一番変化の大きかった12月を基準にして予想数字をつくった」(永守会長)という。

落ち込みに対応するため、下期に240億円の構造改革費用を計上、工場統廃合による設備の減損や旧式在庫の早期廃却、M&A(合併・買収)費用の計上などを進める。

一方、購入品コストの低減や支出の抑制で140億円の増益要因も見込んでおり、これらの増減要因を加味した結果、営業利益予想を前年比13.0%減の1450億円(従来予想は同16.9%増の1950億円)に、最終利益予想を同14.3%減の1120億円(従来予想は同12.4%増の1470億円)に、それぞれ引き下げた。

ただ、永守会長は「経営の方向性や、やり方を変更しようとは思っていない。投資すべきものには投資し、新事業も計画通り進める」と述べ、中長期的な事業計画に変更がないことを強調。下方修正についても「縮むのではなく、しゃがんでもう1回飛ぶという心構えだ」と先行きに自信を示した。

*内容を追加しました。

(志田義寧 編集:田巻一彦)