【ピーター・ティール】どうすれば口コミでユーザーを増やせるか?

2019/2/24
LinkedIn共同創業者で、シリコンバレー屈指のベンチャー・キャピタル、グレイロック・パートナーズの投資家であるリード・ホフマン氏が、著名な起業家にインタビューするポッドキャスト「Masters of Scale(マスターズ・オブ・スケール)」

企業はどのようにしてゼロから一気に成長するのか。伝説のリーダーたちへのインタビューから明らかにしていく模様を「イノベーターズ・ライフ」で公開する。

初回のゲストは、PayPal共同創業者のピーター・ティール氏。PayPal創業時から取締役に名を連ね、副社長も務めたPayPalマフィアの一人であるホフマン氏が、ティール氏の思考に迫る。
Listen to Masters of Scale at applepodcasts.com/mastersofscale and follow us Twitter.com/mastersofscale.
ホフマン:では、そろそろペイパルがスタートしたときの話をしようか。
きみが投資家として、さらには共同創業者、CEOとして関わることになったきっかけは、どのようなものだったのかな?
ティール:もともと、シリコンバレーでのインターネットブームに興味があったんだ。友人もたくさん関わっていた。その中にきみもいたね。ちょうどきみは、ソーシャルネットという会社を立ち上げたばかりだった。
共通の友人であるルーク・ノゼックらを介して、マックス・レヴチンともつながりができた。そのマックスが、新しいビジネスを始めようとしていたんだ。
彼は暗号技術の分野に興味を持っていたんだけど、僕もちょうどそのテーマに興味を覚えはじめたころだった。
「暗号技術によって新しい通貨を作ることは可能か?」「新しい安全な金融商品を開発することはできるか?」といったテーマがあちこちで議論されていたからね。
そこには、僕らの知的探究心を激しくそそるアイデアが一式そろっていた。その中に、僕らが紐解こうとしたものもあったんだ。そこで、僕らはパームパイロット向けの安全な金融商品の開発からスタートした。
そのあと、携帯電話のほうがいいだろうということになり、1カ月後にノキアの出資を取り付けたものの、最初の理事会で、僕らはスマートフォン向けのサービスは時期尚早だと結論した。1999年の時点では、10年も早すぎたんだ。
そこで、インターネットに注力しようということで、インターネット用のペイパルの構築に徐々に移っていったわけだね。
このプロジェクトは、おそろしく二転三転した。だが支払い、つまり「カネを動かす」ことに関連して何かをしようというアイデアは根幹にあったんだ。
それから僕らは、できるだけスピーディにサービスの規模を拡大しようとした。どうすればスケールできるか、口コミでユーザーを増やすにはどうすればいいか……リード、きみとは何度も夜遅くまで話をしたね。
バイラリティや、指数関数的にマーケットを拡大していく方策について。ペイパルのホワイトボードに、僕らはこんな数式を書いていた。