【落合陽一×茂木健一郎】落合陽一をアップデートせよ

2019/1/11
1月9日のWEEKLY OCHIAIは、脳科学者の茂木健一郎さんをゲストにお迎えし、2019年の落合さんのビジョンを議論しました。
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落合陽一、2019年の展望
新年最初の「WEEKLY OCHIAI」は、脳科学者の茂木健一郎さんをゲストにお迎えし、2019年の落合さんのビジョンを議論した。
研究者、メディアアーティスト、教育者、経営者、二児の父として、いま落合陽一は何を考えているのか──。
落合陽一(おちあい・よういち)。1987年東京都生まれ。筑波大学准教授・学長補佐 デジタルネイチャーグループ主宰。ピクシーダストテクノロジーズ代表取締役。
多様性へのアプローチ
──まずは、研究者としてのビジョンをお聞かせ下さい。
落合 研究は二つあって、一つは「xDiversity」プロジェクトで、多様性にアプローチしていく。
つまり、人間の認知能力、運動能力、視聴覚能力をどうコンピューテーショナルにサポートしていくかに、非常に興味がある。
茂木健一郎(もぎ・けんいちろう)。1962年東京生まれ。脳科学者。ソニーコンピュータサイエンス研究所シニアリサーチャー、慶應義塾大学特別研究教授。東京大学理学部、法学部卒業後、 東京大学大学院理学系研究科物理学専攻課程修了。理学博士。理化学研究所、ケンブリッジ大学を経て現職。
分断された物理現象の接続
落合 もう一つは、光と音をコンピューテーショナルに制御し、相互的に作用させたい。
最近やっと光で音がいじれるようになってきたので、研究が進みそう。
茂木 アートに、色々使えますね。
落合 あとは、医療系の方が使えそう。光音響イメージングっていう分野があって、そこでブレイクスルーをつくりたい。
茂木 レーザーの性能がポイント?
落合 コンピューテーショナルにどこまでやれるか。レーザーは1970年代とか80年代後半から良いのが出てくる。ホログラムで音響場を制御するのは、今でもNatureに投稿されるテーマ。
茂木 ホログラフィの原理は昔からある。それがコンピューテーショナルに実現できなかったのが出来るようになってきた。
落合 そう。俗に言う「AI」という分野で、最適化プロセスもちゃんと回さないといけない。そこがちょっと進展した。
──次のテーマいきましょうか。
茂木 え、もう次行っちゃうの。
寂びへの憧憬
──アーティストとしてはいかがでしょう。
落合 アートの何が気になっているかを考えた時に、昔は光や音、波といった、瞬間的に消えてしまう刹那性に興味があった。
今はデジタルを研究して、解像度について理解しているからこそ、質量にゼーンズフト(憧憬)を感じてしまう。
茂木 なるほど、素敵だ。僕的にいうとクオリアの話になってくるけど、メディアアーティストとして良い展開だね。
落合 だから、今度の個展『質量への憧憬展』でも、質量性をどう取り戻すかを考えている。写真って光が保存されていない。その「失われている」が物質になっている感じが堪らない。
今年は、質量への愛着を掘りこんでいきたい。そこが僕の中では今アツい。
ポエムと手元の両立
茂木 落合さんの言葉って、ちょっと日常的な言葉の使い方とズレてるから伝わらない。アーティストとして、言葉を使ってるところがある。
でも、その後ろの「感覚」のところに耳をすませば、真意がわかる。でも、そういう風には皆聞いてくれない。
落合 だから、言葉尻を捕らえられると弱い。修行しないとね。昔よりは、だいぶ社会性のある喋り方をするようになった。
茂木 でも、今時代が落合陽一に注目しているのは、言葉の後ろにある「感覚」のフィールドみたいなものが共感できる人はきているから。
ただ、落合フォロワーは、もうちょっと落合さんのテクニカルな部分も理解した方が良いかも。感覚だけで、あぁ良いなと思うだけでは手元が動かせない。
落合さんは現場で手を動かしている、そこに相当するものをそれぞれの現場でどうつくるか。
落合 手が動いてるのと、頭で考えてることがストレートに繋がると、邂逅の瞬間がある。
ポストシンギュラリティをどう生きるか
番組の序盤から、白熱した議論が続いていく。
教育者、経営者、二児の父として、落合陽一は何を考えているのか──。
「俺、分かったぞ。落合陽一のアキレス腱。」
茂木さんが言い当てた、落合さんの弱点とは。
急遽延長戦も行われた、濃密な議論はぜひ本編でお楽しみ下さい。
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次回は「地方のアップデート」
1月16日は、エリア・イノベーション・アライアンス 代表理事の木下斉さんをお迎えします。
テーマは「地方」。
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<執筆:潘嘉敏、デザイン:片山亜弥>