推奨外がん検診に注意喚起 厚労省が指針改定へ
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注目のコメント
がん検診を推奨できるかどうかは、その検診によって結果としてそのがんによる死亡を減らせるかどうかに尽きます。そういった科学的根拠が確立されているか、という視点で考える必要がありますが、残念ながら日本人のデータはほとんど無に近い状況です。主に米国のデータがその根拠ということになりますが、特別な事由がなければ以下が推奨されます。
•50歳以上に対し、大腸がん検診としての年1回の便潜血検査または10年に1回の大腸内視鏡検査
•21歳以上に対し、子宮頸がん検診としての3年に1回の細胞診、またはウィルス検査を合わせて5年に1回
•40または50歳以上に対して1-2年に1回の乳がん検診
•55-80歳の一定数以上の喫煙者に対するCTによる肺がん検診
また米国と比較して圧倒的に多い胃がんに関しては、米国のデータは参照できず、韓国のデータがもとになりますが、
•2-3年に1回の胃カメラによる胃がん検診(いつからが適切かは不明ですが50歳からとされています)
も推奨されています。
前立腺がんに対するPSAも死亡率を低下することはわかっていますが、その低下の程度が非常に小さく、無駄な検査につながりやすいため、議論の余地があります。
ここに記載した以外の検診、たとえば胃のX線検査、胸部X線検査の有効性はわかっていません。胃のX線検査に至っては胃がんの検出に対する感度が15%ほどしかないと言われており、不適切な可能性が高いです。リストアップされているのは、これまで行われてきたその歴史からという点が大きいでしょう。
これ以外の検査、腫瘍マーカーやアミノ酸分析といったスクリーニング検査は行わない方がよいというレベルのものになります。なぜ胃のX線検査が残るのだろう???
山田proのコメントにエビデンスに沿ったことは網羅されているかと。
健診の推奨とは別ですが、予防医療という側面では禁煙とピロリ菌除菌と子宮頸癌ワクチンが重要です。
費用対効果の問題もありますし、エビデンスではありませんが、大腸癌はポリープから発生することがほとんどですので、そういう意味では便潜血ですませずに大腸カメラも受けられても良いかもしれません。
それにしても、いまだに腫瘍マーカーとか自己抗体とか意味もわからず全部クリックみたいな風習が色んな病院でまかり通ってるのもなんとかならないものか、、、医療コストの問題を考えている時にも思ったのですが。
PSAを除けば、腫瘍マーカーで癌の早期発見なんてできません。