【ピーター・ティール】フェイスブックは最高の投資先だった

2019/3/1
LinkedIn共同創業者で、シリコンバレー屈指のベンチャー・キャピタル、グレイロック・パートナーズの投資家であるリード・ホフマン氏が、著名な起業家にインタビューするポッドキャスト「Masters of Scale(マスターズ・オブ・スケール)」

企業はどのようにしてゼロから一気に成長するのか。伝説のリーダーたちへのインタビューから明らかにしていく模様を「イノベーターズ・ライフ」で公開する。

初回のゲストは、PayPal共同創業者のピーター・ティール氏。PayPal創業時から取締役に名を連ね、副社長も務めたPayPalマフィアの一人であるホフマン氏が、ティール氏の思考に迫る。
Listen to Masters of Scale at applepodcasts.com/mastersofscale and follow us Twitter.com/mastersofscale.
ホフマン:さて、話題をフェイスブックに移そうか。きみと僕はフェイスブックに共同出資した。少なくとも初期のフェイスブックでは、規制の問題はペイパルよりずっと少なかった。
とはいえ、「ものすごい勢いで成長する企業で、走りつづけながらビジネスモデルを考え、社会経験のまったくない若者たちと仕事をする」という難しさでは共通していたと思う。ザッカーバーグとパーカーに最初に会ったとき、そのことについてどう考えていた? 
ティール:もちろん、ネガティブには考えていなかった。他の投資家はネガティブにとらえたかもしれないけれど。つまり、社会経験がないからといって彼らを敬遠したりはしなかった。
あの最初のミーティングはほとんどきみが主導したようなものだけど、僕にとっては、ソーシャルネットワークというビジネスが今後すごく重要になっていくだろうという考えがあり、この分野をシステマティックに探っているような状態だった。ごまんとある企業の中でも、フェイスブックはさまざまな意味で最高の投資先だと思った。
(写真:Bloomberg/GettyImages)
エレベーターピッチのような、営業トークのたぐいが一切なくても、僕らは彼らに投資しただろう。
2004年の夏に彼らに会ったときのことを、世間では『シャーク・タンク』(注:起業家が事業計画をプレゼンし、審査員である投資家から出資を募るアメリカのテレビ番組)みたいなイメージで見ているらしい。
それで、僕はよく聞かれるんだ。あなたからカネをせしめるために、彼らはいったいどんな魔法の言葉を使ったのか?とね。
実のところ、答えは「僕らのほうに、投資をする準備ができていたから」といったところだろう。とくにきみのほうは準備万端だった。
それに先立つ1年間、ことによると10年も前から僕らは投資先を探していて、機は熟していたんだ。これが非常に重要なポイントだと思う。