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コメント
注目のコメント
昨年に引き続きということで、まずは客観的に「何が当たっていて、何が当たっていなかったのか」という回顧(反省)をしつつ、来年の為替市場を展望してみました。
今年の為替市場は、とりわけ主要通貨に関しては史上稀に見る動意の無いものでした。基本的に主要通貨でプレーする参加者が薄く、対EM通貨での売りが市場の流れを支配したことが主因でしょう。例えば、ユーロの実効為替相場が大幅に上昇したことを認識している市場参加者は多くないと思います。これは対EM通貨でのユーロ買いが、対円、対ドルでのユーロ売りを掻き消したためです。流れを決めたのは新興国でした。
昨年の文章を引用する形で振り返らせて頂いておりますが、カーブのinversionやEM市場の荒れなどは概ね想定通りであったものの、結局それをFRBが気にせずに約10か月間走り続けたことで、辛うじて米金利やドル相場は値を保つことが出来ました。しかし、主知の通り、直近1か月弱の間に、その基本姿勢も漸く変わり始めています。ドットの切り下げに踏み切ったのは大きな潮流の変化でしょう。「未だに利上げ2回も想定は失策」という声も見られますが(私もそう思いますが)、金融政策は突然は変われません。まずはハトに一歩踏み出したという動きを、過去5年に亘る正常化プロセスが曲がり角を迎えたサインとして真摯に受け止め、各々の相場観を形成していけばよいと思います。
個人的には3.7%まで下がった失業率や、60近傍まで上昇したISM製造業景気指数に持続可能性は無いと考えます。自ずとFedも米金利もドルも変化を強いられるでしょう。
宜しければご笑覧下さいませ。振り返りからはじまる予想は個人的には好き。未来のことは究極的には分からないと思っており、でもそれで放棄をするのではなく考えることが重要だし、論点・視点を考えていくことで、思考が広がる。
記事に米国の金利やイールドカーブについての記載がある。
記事を読むための解説や資料として、いくつかご紹介。
イールドカーブ:1年前と比較して期間が短い金利は上がり、長い金利の上げは小さい(1か月前と比較すると下落)。傾きとしては小さく(=フラット化)が進んだ。
https://jp.investing.com/rates-bonds/usa-government-bonds
日々のもっと細かいデータは下記で取れる。
https://www.treasury.gov/resource-center/data-chart-center/interest-rates/pages/textview.aspx?data=yield
あとは10年債利回り(長期金利)は下記。長期でどんどん下がってきた。そのトレンドについて、2月に相場が崩れたときに変わった可能性も指摘されたが、一方で足元はまた下落(債券高)に転じている。
https://fred.stlouisfed.org/series/IRLTLT01USM156N
10年債・2年債の金利差は下記で。この差が小さい=上記のイールドカーブは基本的にフラット化している。基本的には利上げ局面で小さくなっていき、利下げ局面で差が広がる。
https://fred.stlouisfed.org/series/T10Y2Y
新興国についての記載がある。
今ちょうどスリランカにきているのだが、一年前に来た時と比較して為替が2割ほど円に対して安くなっている。米国利上げ→新興国通貨の弱含み(高金利の相対的な魅力の低下、ドル建て債務の金利負担の増加)というのをまさに体験している。
ドル円について、記事最後の方にある「きっかけ待ち」に関連して、CFTCポジション(下記)はドル円が動くタイミングでは見たい。きっかけがあってこれが一気に巻き戻ると一気に円高に振れる(2016年頭とかもそうだった)。
https://www.investing.com/economic-calendar/cftc-jpy-speculative-positions-1614