[東京 19日 ロイター] - 政府の規制改革推進会議は19日、第四次答申をまとめ、携帯電話料金の値下げや、株式と商品が共に取引される総合取引所の創設、オンラインによる遠隔教育の推進などの提言を盛り込み、安倍晋三首相に提出した。

会議の締めくくりで安倍首相は「規制緩和こそ新しい時代を切り開いていく成長のメインエンジン」と指摘し、「安倍内閣の成長戦略の中核と言ってよい」と強調。来年の「次期通常国会で法案を提出するなど、必要な措置を講じ、速やかに改革を実行していく」と述べた。

携帯電話については、通信料金の適正化に向けた通信料金と端末料金の分離や、通信回線を大手事業者から借りて運営する事業者に対する接続料金の適正化・透明化などを盛り込み、大手3社の事実上の寡占により、英国などと比べ高止まりしているとされる料金の引き下げを狙う。

証券と金融先物、商品先物を一括して取り扱う総合取引所を設立するため、東京商品取引所(TOCOM)で上場されている一部の商品デリバティブについて日本取引所グループ(JPX)<8697.T>傘下の取引所への移管を期待するとし、2020年度ごろまでの総合取引所の実現を目指すとしている。総合取引所の実現の壁とされてきた、所轄官庁(金融庁と経済産業省)において、2018年度末までに協議を実施するとしている。

農業用ドローンの活用を促進するため、農水省が最新型ドローンのディーラーなどに顧客の代行申請を行うよう促し、農薬散布に関する一部検査を不要とする。

農地の集約化を図るため、転用許可基準を見直すほか、農地を所有する法人の要件(150日以上農業従事)などを緩和する。

オンラインによる遠隔教育は、技術的には可能でありながら普及してない点を問題視。プログラミングや英会話などの分野で質の高い教育を実現するため、5年以内に遠隔教育をすべての小・中・高等学校で活用できるよう、検討する。

*内容を追加して再送します。

(竹本能文)