米IBM、レッド・ハット買収で合意-3.7兆円と過去最大規模
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レッドハットは今やオープンクラウドの代表選手。単中期的にIBMの業績貢献は大いに期待できるでしょう。
とはいえ先週末終値時価総額20ビリオンにて、1.6倍のプレミアムをつけての買収。現時点PER株価収益倍率が76倍にてなかなか思い切った値付け。ここに来てRed Hat!一株あたり190ドル、金曜日の終値は約117ドル。ただ、6月半ばには170ドル超えていた時期もあった。
下記を見るとソフトウェア企業の買収としては過去最高額(これまではMSのLinkedIn買収が最高)。また、テック企業でもDellのEMC買収(670億ドル)、AvagoのBroadcom買収(370億ドル)に次ぐ3位の見込み。
https://tcrn.ch/2RqBCqD
業績を見てみると、先行きがとても強い見通し。
昨年が売上約30億ドル、営業利益約4.7億ドル、純利系2.6億ドル。売上はこれまでも毎年4~5億ドルほど伸びてきたが、営業利益率は15%前後、純利益率は10%前後だった。
それが今後の市場予想は売上は毎年同程度の伸びて34憶ドル→39億ドルだが、営業利益は8.1億ドル→9.5億ドルで利益率は25%超、純利益では6.5億ドル→7.4億ドル(純利益率で20%弱)と大きく改善する見通しになっている。
CFを見ると、営業CFがPLから推測されるよりかなり大きく、ここ4年は7~10億ドル(投資CFは毎年正味-0.5億ドルほど)。
BSを見ると、繰延収益が負債にどんどん貯まっている(サービス提供に対して先払い契約が多いのだろう)。資金繰りは楽だし、事業拡大するほどCFは増える。ただ事業拡大しないフェーズではあくまで先払いなので、CF拡大要因としては減る。
IBMは、元々レバレッジを結構利かせている会社。株主資本はマイナスではないが、株主資本比率は15%前後。
ここ数年は営業CF170億ドル(EBITDAも同程度)ほどに対して、純資産180億ドル前後、有利子負債450億ドル前後。
今回の買収を負債でやるとすると、ちょうどEBITDA x5くらいの負債水準。土地勘があまりないので皆様のコメントを参考にさせていただいています。
会社の説明を見ると業界としてクラウドに移行していないのは80%ほどあるということですので、IBMのクライアントで今までクラウドが進まなかった部分のクラウド移行を(追加的に)後押しできそうな気はします。このシナジーは大きそうな気がしますが、それ以外のシナジーやマイナス効果がどうなのかもう少し勉強してみます。
IBMとしては、事業が伸び悩む中で配当や自社株買いをするよりは(安いとはいえないにしても)事業投資に資金を向けるという点でマシな選択かもしれませんね。