(ブルームバーグ): ソフトバンクグループ(SBG)はビジョンファンド向けに約90億ドル(約1兆円)の融資を取り付けた。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。通信子会社ソフトバンクの新規株式公開(IPO)で主幹事を務める銀行などが貸し出しに応じたという。

情報が非公開だとして匿名を条件に述べた関係者によると、野村ホールディングスやゴールドマン・サックス・グループなど主幹事はビジョンファンドへの融資について最終的な条件を詰めている。ビジョンファンドの投資先のうち5件程度が担保として扱われるという。

ブルームバーグ・ニュースが先週報じたところによると、野村HDやゴールドマンのほかにドイツ銀行、みずほフィナンシャルグループ、三井住友フィナンシャルグループも通信子会社IPOのジョイント・グローバル・コーディネーターに選定された。

関係者は担保となる投資先については言及しなかった。ソフトバンク、野村HD、ゴールドマン、ドイツ銀とみずほと三井住友Fの証券子会社の広報担当者らはコメントを避けた。

ビジョンファンド

運用規模1000億ドルのビジョンファンドは、アーム・ホールディングスやウーバー・テクノロジーズ、オフィスシェア事業のウィーワーク、スラック・テクノロジーズ、ゼネラル・モーターズ(GM)の自動運転事業部門などに投資している。

SBGが準備を進める携帯子会社ソフトバンクのIPOでは約900億ドルのバリュエーション(株価評価)を模索しており、300億ドル相当の売り出しが実現した場合、アリババ・グループ・ホールディングが2014年に記録した250億ドルを抜き、過去最大のIPOとなる見通し。

ソフトバンクは、主幹事としてIPOへの参加を希望するウォール街の銀行に対し、融資を提供するよう求めているとブルームバーグ・ニュースは報じていた。

SBG株は18日、前日比185円(1.9%)安の9605円で午前の取引を終えた。

原題:SoftBank IPO Banks Said to Back $9 Billion Vision Fund Loan (1)(抜粋)

(第5段落以降に株価動向などを追加しました.)

--取材協力:古川有希、Chitra Somayaji.

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