「新潮45」休刊、社長処分 LGBT表現で批判受け
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かつての文芸春秋社の雑誌『マルコポーロ廃刊事件』を想起させる結末ですがネット時代はその拡散と結末までの展開が早い。マルコポーロの時はホロコースト否認論文が掲載され、ユダヤ系団体から抗議を受けたことが発端でした。
ホロコースト否認と言い、LGBT問題と言い、既存の論調に関し逆張りをしてみるというのは言論界では1つの手法なのでしょうが、このようなデリケートな話題では、相当周到な準備と根拠がなければ論陣は張れないはずです。
今回に関してはよくある「逆張り論」としても相当に稚拙で、単にLGBTの権利礼賛風潮(と言っても本当はマイナスをフラットな部分に戻す作業)に逆張りをしてみるかという思い付きから、そんなことを言ってくれる人を探してみたという編集サイドの思いが垣間見えます。
個人的には新潮社の本には好きなものも多いので残念です。雑誌コードを維持するために休刊としつつ、事実上の廃刊とも取れます。
『凶悪 ある死刑囚の告発』を生み出した時のように、またいつか素敵な雑誌として復活してくれることを願っています。
なお、「言論の自由」との関係でいうと、今回は自社内で検討した結果、社内の意思決定で休刊を決めたという自浄作用にとどまり、国やそれに準じる機関からの検閲や差止めがあったわけでもないので、特段問題ないと考えます。対抗言論がこれに寄与した事実はもちろんありますが。
また、そもそも差別的言論が表現の自由の保護範囲内かという別の議論もあります。LGBTを考える反省を込めた特集を次号に組むとか、やり方はあったと思うのだが。
出版社が休刊というときはほとんど廃刊を意味するので、それなりの歴史と実績がある紙媒体がこうして消えていくのは残念です。