時速80キロで走りながら0.2ミリを検知するスゴい「ひび点検車両」
コメント
注目のコメント
かっちょええ。
ひび割れ幅の検知能力は0.2mmのようですが、小さいように見えてコンクリート的にはけっこうクリティカルな数字です。
コンクリートのひび割れが有害である理由は大きく言えば二つで、一つはコンクリートが分断され力学的な一体性を失うことです。
応力の伝達能力を失うのはだいたいひび割れ幅が0.1mmくらいですが、かといってこの値を超えたらアウトというわけではありません。
鉄筋コンクリートはひび割れた後の鉄筋の働きに期待しているので、ひび割れ自体は本来許容されるものです。
問題になるのは、ひび割れが大きすぎるとそこを侵入経路として劣化因子(酸素、水分、塩分、二酸化炭素etc...)がどんどん入っていてしまうことです。
この指標は環境や部材の条件によってさまざまですが、例えば一般環境での許容ひび割れ幅はコンクリートのかぶり厚、つまり鉄筋までの深さの距離×0.005倍です(土木学会コンクリート標準示方書)。
これが土木構造物ではだいたい0.2mm以上なので、この技術によって検知されたひび割れは詳細な調査の上で場合によっては補修・補強が必要…といったところでしょうか。
補修・補強の前段階に相当する点検業務を、走行車両により大面積を短時間でカバーできればものすごーく効率化できそうですね。
関連技術としてまず思いついたのは、NEXCO西日本はコンクリートの温度分布を走行車両で計測する技術をアメリカで展開しています。(参考①)
コンクリートのひび割れを画像処理により検知しようという試みは古くからされていますが、近年ではAIやビッグデータ技術の革新により実用的レベルまで達しつつある印象を受けています。(参考②)
もっと浅く広い話は手前味噌ですが③など。
【①NEXCO西の子会社、米でなにしてる? 社長に聞く、技術1本でのし上がったお話】
https://newspicks.com/news/3056496
【②より微細なひび割れも測定可能…JR東海がトンネル内部の壁をチェックする装置を改良へ 2020年4月】
https://newspicks.com/news/3101412
【③コンクリートのまとめ#3 ~災害とコンクリートの付き合い方②~】
https://newspicks.com/news/3101412時速80キロ走行で、という点では目視試験の代替のように思う。打音検査の代替では、最近下記のレーザーを使った手法についての報道を思い出した。
https://newspicks.com/news/3123134Katoさん!
わたしも非破壊検査の中でも打音法ではなく、レーザーを使ったものの記事が思い浮かびました。
安田さんの参考リンク、とても勉強になります。
"道路やトンネル、橋梁などの点検・検査ニーズが高まる中、事業規模を現状の数億円から2020年に10億円引き上げる方針"
いい方向性ですよね!
![アプリをダウンロード](/resources/images/banner-app-download.png)