アマゾンに続け。生存をかけた小売業界のテック攻勢
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アマゾンの攻勢に対抗すべく、世界の大手小売業が動き出している。きっかけは、やはりアマゾンのホールフーズ買収だが、その前に世界一の小売業ウォールマートがジェットコムを買収したことがスタートだろう。その後クローガーがオカドと資本提携をし、最近は日本一の小売業イオンがボックスドに出資をした。これからもこうした動きは活発化していくだろう。しかしこの次に大きな壁がある。アナログ文化とデジタル文化の融合という壁だ。先行するウォールマートでは人材の融合が進み最近では結果が目に見えるようになってきた。人材の流動化が進み、職種別給与が明確な欧米では多少の時間をかけながらも進んでいくだろう。しかし、問題は日本である。人材が固定化し、画一的な給与体系の日本の小売企業には、人材が集まりづく、定着化しずらい。この高い壁を越えることができるかが小売業生存の大きな試練となるだろうと思う。
●134億ドルの買収は食料品雑貨の世界に激震を引き起こし、それが引き金となって業界内の合併や提携が異常に増えた。
●既存の小売業者はデジタル化を追求し、ネット通販企業は実店舗をもつ小売企業との提携を再検討
●食料品のネット販売は今後4年間で倍増し、2022年には3340億ドルに達すると予測されている
半年前サンフランシスコをUBERで移動する際、運転手がホールフーズ社員で、乗車中ずっとAmazonに買収されたことへの悪態をついてました「奴らは生鮮食品の難しさなんてわかっちゃいない」と。でも去り際に「あらゆる領域がデジタルとの融合を迫られる中上手く融合しないといけない」という一言も。パートタイムドライバーで稼いでいる姿と相まって業界変革の裏側の現場の大変さを感じた瞬間でした。『小売企業がテクノロジーを開発するより、われわれのような技術屋が小売業界を理解するほうが早いと思う』という言葉が印象的だし、リアルだと思う。
技術への理解度もそうだが、規模が小さいから試しやすい。色々試して成功したものを成長させる。成長させる中で規模が小さいときに成功したが、規模が大きくなって上手くいかないものも出てきて修正される。
こういった試行錯誤を経て、ある程度スケーラブルになったところで大規模な企業による買収やパートナーシップが起こる。失敗経験を既につぶしているので、成功しやすい。
大企業も、理想論としては同時多発的に色々な取り組みを小規模にやれる(金銭面での資源もある)。だけど、実際には組織上の理由でやれなかったり、あとはそこに企業の生き死にがかかっていない、ほかのオプションもある状態のときとの必死さは違うと思う。
変化があるときは、スタートアップのほうが攻めやすい。そして攻めている方が成功しやすい。逆に、そういう特性を活用する大企業と活用しない大企業では差が出てくる。