カタールがトルコ危機で対策 通貨交換協定を締結
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注目のコメント
何となく呼ばれたような気がしたので、カタールとトルコの関係についてちょっとコメントしますね。
実は2016年にトルコとカタールとは相互軍事条約を結び、ドーハにはトルコ軍が駐留しています。
サウジが昨年カタールと断交した時、サウジは真っ先にトルコ軍の撤退を求めましたが、カタールはそれを拒否し、トルコのエルドアン大統領もサウジの要求を跳ね除けて、逆にトルコ軍を増派しました。
この為サウジも、もしカタールに軍事侵攻すればトルコと戦争を覚悟しなければならなくなってしまい、軍事的オプションが一切取れなくなってしまったのです。
現在までカタールがGCC各国から制裁を受けても、何とかやっていかれるのは、このようにバックにトルコがついているからという側面があるわけです。
では、何故カタールとトルコが親しいかといえば、中東最大のイスラム原理主義団体であるムスリム同胞団に対する立場が一致しているからです。
カタールは一貫して陰ながらムスリム同胞団を擁護、援助してきましたが、このことが反ムスリム同胞団の立場をとるサウジやUAE、エジプトの怒りを買い、昨年のカタール制裁へつながりました。
ところが、実はエルドアン政権の与党である公正発展党は、元々ムスリム同胞団から発展したものです。
つまりムスリム同胞団を擁護するカタールとトルコは元々思想的な立場が非常に近く、ここに互いに周辺諸国からの制裁を受ける立場ということで、急接近したものと考えられます。
中東の関係性はこのように宗教や歴史が複雑に絡んでいることが多く、単に経済的な側面からだけでは読み解けないことが多いのですね。本件は主たる敵対者が米国である以上、IMFに支援要請という選択肢が事実上断たれています。それだけにこの一手は意味あるものと考えられますが、エルドアンの態度がこのままであると、あらゆる措置は「輸血」にとどまり、「止血」には至らないという理解が重要かと思います。
大人なカタール対応。
地政学的なカタールのポジションを解説した村松さんの過去コメントが参考になります。
https://newspicks.com/news/3248563
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