【予測】焦るトランプ。米国の「チャイナ・バッシング」が始まる

2018/8/15

一変した中国観

米中テクノロジー冷戦という形で、アメリカの中国脅威論が高まっている。
ソ連との冷戦が終わり、日本のバブルが弾けた1990年代以降、アメリカのアジア外交の最大関心事は中国の目覚ましい台頭だった。
アメリカは中国共産党による一党独裁支配と対外的な軍事拡張路線を警戒する一方で、急成長する経済の面で関与を続けてきた。この間、歴代大統領はおおむね、融和的な姿勢で中国に臨み続けてきた。
ところが、トランプ政権下でアメリカの中国観は一変。トランプは過去の大統領とは異なり、政権発足当初から中国に対する対抗意識をあらわにしている。
(写真:Tom Brenner/The New York Times)

「協力者ではなく挑戦者」

中国が国力の増強にともない自信を深め、アジアで自国の国益をむき出しにした外交政策を取りつつ、アメリカの影響力を排除する動きに出始めたからだ。ワシントンでは、中国に融和的な関与を続ければ、中国が「いつかは自由な国際秩序の責任ある一員になる」という期待はすっかりしぼんだ。
むしろ、中国はアメリカとは本質的に異なり、協力者ではなく挑戦者であるという見方が支配的となりつつある。
その姿勢は、1980年代、対日貿易摩擦をめぐるアメリカの日本に対する強硬な姿勢を彷彿とさせる。