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【米政治】ねじれ議会に直面するトランプ。突破口はアジア外交
秋元 諭宏ワシントンインサイツ LLC 代表
2020年の大統領選の結果が出た後に振り返ってみると、2018年の中間選挙はトランプ大統領の終わりの始まりを示唆していたということになるのではないか。まだ大統領選挙まで2年もあるので、少し大胆過ぎますが、トランプを取り巻く潮目が変化しているのではないかと感じます。
政権発足以来2年が経過して、トランプが大統領に就任してからも継続してきた、大言壮語の「公約」を連発し支持基盤層の心情に訴える、「選挙キャンペーン型政治」に限界が見えてきている。中間選挙では、2020年の大統領選において一般投票では再び敗れることが明らかになった上に、共和党優勢のはずのレッドステートや、前回の大統領選勝利の原動力になったラストベルトの激戦州で異変の兆候が見られた。さらに、元側近が次々と有罪を認めてモラー特別検察官と協力し、トランプに不利な情報が毎日のように流れ始めている。第116議会では民主党が多数党を奪還した下院による大統領に対する追及と監視も強まる中で、内政では防戦に追い込まれるであろうトランプが、外交にどのような政治的活路を見出そうとしているのか、考えてみました。
【予測】焦るトランプ。米国の「チャイナ・バッシング」が始まる
秋元 諭宏ワシントンインサイツ LLC 代表
米国の中国観は、その重心が「将来的な協力者としてエンゲージメント(関与)」から、「現実的な挑戦者としてコンテインメント(封じ込め)」へ大きく変化した。
米国は長年にわたりバランスとヘッジを維持しながら中国を自由な国際秩序に組み込むべく努力したが、中国の「核心的利益」を前面に押し出した非協力的な姿勢、活発化した対外軍事活動、周辺国への高圧的な外交圧力を受けて、中国の国益と米国の国益とは本来的に対立的だと結論付けたとも言える。
トランプ政権の対中政策の一つの柱は通商面での圧力だが、これはライトハイザー通商代表が「成功体験」と認める、1980年代の対日貿易戦争のプレーブックを踏襲している。
これには時代遅れの発想という批判もあるが、中国にテクノロジーとイノベーションの覇権は絶対に許さないという決意は、科学技術を制するものが相対的優位に立つという、中長期的な戦略的視点に立脚したものだ。
【超解説】これだけは知りたい、トランプ政権が壊した6つのこと
秋元 諭宏ワシントンインサイツ LLC 代表
トランプ大統領の従来の国際規範を無視した外交、支持基盤のみを意識した「米国第一主義」、事実を歪曲したデマゴーグ的発言、野卑で扇動的な言葉遣いは、米国政治の劣化を端的に示しています。
トランプ大統領の中国、北朝鮮、ロシア、通商問題、中東、同盟関係への対応の深刻性を評価すると同時に、トランプ大統領が世界に与えた最も大きなダメージは何かについて考えました。
なお、最近、鉄鋼製品などに制裁関税が導入される際に、欧州、オーストラリア、韓国、アルゼンチン、ブラジルなどが同盟国として適用除外される一方で、日本は適用除外されませんでした。
安倍首相が今月17日〜20日に訪米しトランプ大統領と会談する予定ですが、トランプ外交の本質を見極めることが、政権2年目への対応で極めて重要です。
【陰謀説】ロシア疑惑から銃規制まで、米国をゆがめる「ディープステート論」
秋元 諭宏ワシントンインサイツ LLC 代表
ディープステートに操られた役者だ──フロリダ州の高校で起きた銃乱射事件を生き延びて、銃規制強化を涙ながらに訴える高校生に対して、こんな侮辱の言葉が浴びせられている。
常識では考えられない陰謀論が、ビジネスの視点からメディアに取り上げられ拡散する。トランプ大統領は、権力と資力を独占するディープステートという名の「影の政府」が、民主的に選ばれたトランプ政権を妨害し、国民主権を犯していると、ディープステート論をあおっている。
日本では、つい最近まで北朝鮮に対する攻撃の有無を、コメンテーターが想像や真偽が不確かな情報で語ったりしていたが、大部分が米国のセキュリティクリアランスのない外国人による、想像にまかせたファンタージの拡散という意味で、これも似たような構図だろう。
あるテレビ局関係者から、「トークショーから何かを学ぼうとする人などいない、あれはエンターテインメントなのだ」と言われたが、北朝鮮攻撃があるかないかという設問が、エンターテインメントになるのだろうか。
トランプ政権が扇動するディープステート論を見ていると、各国の国民の知的民度が問われていると感じる。
トランプvs北朝鮮。戦争回避のカギを握る「大人3人組」
秋元 諭宏ワシントンインサイツ LLC 代表
北朝鮮に対する先制攻撃、「ブラッディ・ノーズ(鼻血)作戦」は実行されるのか。トランプ大統領は、「北朝鮮を壊滅させる」「俺の核ボタンはより大きい」などのポピュリスト的極論で、世論を攪乱し真意は明かさない常套手段です。一方、安全保障コミュニティの良識派は、現時点では攻撃の効果が不透明な一方で、多数の人命が失われ、地域を大混乱に貶める武力行使はあり得ず、粘り強い外交交渉が唯一の現実的政策選択肢という立場です。
身勝手で幼稚な立ち振る舞いから「チャイルド」と揶揄されるトランプ大領と、良識派の期待に反してトランプ大統領のイエスマンと化したマクマスター国家安全保障担当大統領補佐官に対して、「アダルト」と呼ばれるマティス国防長官・ティラーソン国務長官・ケリー首席補佐官らが、慎重な対応を諭す不安定な構図を分析しました。
なお、米国の先制攻撃(先制的自衛)の可能性については常に備える必要があるが、高度なセキュリティクリアランスがなければ実態が分からない作戦行動について、米軍や自衛隊のOBがメディアで語ることはセンセーショナルになりがちで、軍事行動に対する人々の警戒感を麻痺させ、軍事衝突の可能性を高めるという意味で注意が必要と思います。
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