フライト最中の面倒な会話も不要

フライトの最中に汗をかいたり震えたりすることには、誰もがうんざりしている。
しかし、フライト・アテンダントたちの労働組合「AFA」(Association of Flight Attendants)が発表した新しいスマホアプリさえあれば、機内温度が不快なほどの暑さや寒さになっていることを、座席からAFAに直接通報することができる。もはやフライトの最中に面倒な会話は必要なくなるのだ。
AFAは米運輸省に対して、機内の室温調節に関する運用基準を導入することを求めている。前述したアプリはAFAによる、より幅広い取り組みの一環だ。AFAはこのアプリ「2Hot2Cold」を、乗客や乗員に無料で提供している。
AFAは8月はじめ、運輸省に対して請願書を提出した。航空会社各社に対して、機内の室温を華氏65~75度(摂氏約18~24度)の範囲内に保つことを要求するよう求めるものだ。AFAは問題をデータ化することにより、この請願書を補強したいと考えている。
度を超えた暑さや寒さでフライトが苦痛になるのは確かだが、問題はそれだけではない。極端な機内温度で乗客や乗員が危険にさらされることもあり、たとえば疲労やめまいの原因になりえるとAFAは主張している。
AFAのサラ・ネルソン会長はあるインタビューの中で、こうした健康への悪影響により、機内での緊急事態への対応が遅れたり、航空会社の業務が混乱したり、さまざまな問題の「連鎖反応」が引き起こされる可能性があると語っている。
フライト中に通報できるアプリのアイデアをAFAが着想したのは1年前のことだ。デンバー空港の滑走路上で旅客機が立ち往生して機内がかなり暑くなったなかで、幼児が高熱を出し意識不明になったのがきっかけだ。AFAは努力の一環として、キーホールダー付き温度計をすべてのAFA組合員に配っている。
「乗務員たちに話をしているときに『極端な機内温度を経験したことがある人は』と聞くと、誰もが手を上げる」とネルソン会長は言う。「航空機の旅を2回以上経験したことがある乗客と話せば、機内温度の問題で困ったことがあると言うだろう」
原文はこちら(英語)。
(執筆:Eliza Haverstock、翻訳:ガリレオ、写真:ironstuff/iStock)
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This article was translated and edited by NewsPicks in conjunction with IBM.