【井川意高】106億円を熔かした男、「カジノ法案」に物申す

2018/8/6
カジノは本当に悪なのか──。
2018年7月、国会でカジノを含むIR(統合型リゾート)実施法案が成立した。
この結果、ついに日本でもカジノの運営が可能となり、早ければ2020年代の前半にも最初の施設がオープンされることになる。
今回の“カジノ法案”は、国会での議論が深まらないまま、政府が半ば強引に成立させた経緯がある。そのため「ギャンブル依存症を増やす」など世論の反対も色濃く、「カジノ」というワードに拒絶反応を示す国民も多い。
カジノは本当に危険なのか。政府が定めたカジノ依存症対策は正しいのか。
NewsPicks編集部は、カジノのリアルを解き明かすべく、「カジノのプロ」である井川意高氏を直撃した。
元大王製紙会長の井川氏は、シンガポールやマカオのカジノで約106億円を使い込み、そのうち数十億を子会社から不法に借りたとして、特別背任罪で実刑判決を受けた人物だ。
自らがカジノの罠にはまり、酸いも甘いも知り尽くした井川氏だからこそ知る、カジノの本質を、余すことなく語ってもらった。
井川意高(いかわ・もとたか)/元大王製紙会長。1964年、京都府生まれ。87年、大王製紙に入社。2007年社長、2011年6月会長に就任。社長在任中の10年から11年にかけ、カジノで106億8000万円を使い果たし、子会社から巨額の資金を借り入れた事実が発覚。会長職を辞任した後の11年11月、会社法違反(特別背任)の容疑で東京地検特捜部に逮捕される。13年6月、最高裁で上告が棄却され、懲役4年の実刑判決が確定した。