「CFO=資金調達」という発想が成長を阻害する理由

2018/8/2

ファイナンスは意思を込める

──前回、日本ではファイナンスが実務に生かしきれていないという話でしたが、一般にファイナンスと会計の違いもあまり知られていません。
小林 会計は過去の結果としての数字を扱います。だから、基本的に過去志向です。しかも、そこにおいて意思は極力排除する必要があります。厳格なルールが存在して、その手順に則って正当に扱うものです。
一方、ファイナンスは会計と異なり、「この先、未来の会社をどうするか」を、信念をもって説明するのが重要な要素です。
そこには必然的に意思が込められます。ルールが存在する会計に意思を込めると不適切な結果になることもありますが、逆にファイナンスには意思を込めなくてはいけません。